テラーノベル
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🖤「康二!!」
目黒は濡れることも気にせず海へと足を踏み入れた。
バシャバシャと水しぶきを上げながら現れた影へと近づく。
水の深さが膝くらいまで来たあたりか、 影は近くにあった岩陰へと身を隠してしまった。
🖤「康二…?」
目黒もその岩場へ誘い込まれるように近づいた。
恐る恐る名前を呼ぶと、声が返ってきた。
🧡「……めめ…」
それは紛れもない、ずっと想い続けていた相手の声だった。
弱々しく、今にも消えそうな声。
🖤「そっち行っていい?」
🧡「…っ、こっ、来んといて!」
🖤「なんで?」
🧡「…見られとうないから」
目黒は動けなかった。向井は会いに来たものの、姿を見られなくないようだった。
🖤「…今。全世界で康二みたいに人魚になってる人が出てきてる。みんな捕まえようと必死になってる。懸賞金までかけられて…海にいたら危ないんだよ」
🧡「…知っとる。仲間に聞いた」
🖤「ふっかさんとあべちゃんに協力してもらった。あべちゃんの研究室で匿ってもらえる。ラウールも俺らのために動いてくれてる。
だから…戻ってきて」
🧡「…っ!なんでそんな…そこまでしてくれるんよ」
🧡「なんで俺らが狙われとるって分かっとってここまでするんよ…!めめの俳優のキャリアに傷がついたらどうするん…!!」
🧡「めめの足引っ張りとうなくて海に来たのに。俺とおらん方がめめは絶対幸せになれるって…!」
🖤「…俺の為…?」
🧡「当たり前やんか!やのにわざわざ使っとった時計まで沈めて…!」
🖤「俺の時計ってちゃんと気づいてくれたんだ…?」
🧡「……せやで」
この言葉で分かる。
阿部と深澤の計画は大成功したのだ。
ここからは目黒自身の力だ。
もう想いを伝える怖さなんてない。彼と二度と会えなくなるかもしれない怖さの方がよっぽど上だと痛感したから。
🖤「俺の幸せとか考えないでさ…康二自身はどうなの?」
🧡「俺自身?」
🖤「俺の時計みて会いに来てくれたってことはさ。康二が俺に会いたいって思ってたって自惚れていいの?」
🧡「それは…!」
🖤「康二、そっち行っていい?顔みたい」
🧡「アカン!めめの顔みたら…! 」
目黒は向井の言葉を無視し岩場を回り込み声のする元へ。
そこには阿部たちが沈めてくれた例の手紙と時計が入った瓶を持った向井がいた。
今にも泣きそうで消えてしまいそうな顔で。
身を縮めて座り込んでいた。
🧡「今度こそ…離れたくなくなるやん…」
🖤「…っ!」
目黒は思わず向井を抱き寄せ腕の中に収める。
🖤「俺の幸せとか言うけどさ…!康二がいなきゃ幸せになんかなれない」
🧡「…え?」
🖤「今日までの間。康二が誰かに捕まってたらどうしようって。毎日気が気でなかった」
🖤「閉じ込めてでも離すんじゃなかったって…ずっと後悔してた」
🧡「それは俺が…!めめに迷惑かけるから…!めめの夢を邪魔したくなくて…」
🖤「俺のこと思ってくれてるんなら…俺の為って言うんなら…俺のわがまま聞いてよ…!」
鼓動を感じる。
どちらのものか分からないくらい、うるさい鼓動を。
目黒の声にも熱がこもる。
14年もの間、ずっと秘めていた想いを伝える。
🖤「もう二度と俺の前からいなくなろうとしないで。俺のそばにいてよ」
向井の嗚咽が聞こえてくる。とめどなく溢れる涙が目黒の服を濡らしていく。
🖤「…康二が好き。ずっと前から…14年前からずっと康二が好き」
🧡「ゔぅ…ありえん…そんなん…」
🖤「有り得るの。どんな姿でも康二が好き」
目黒は両腕を解いて向井の顔を見つめる。
大粒の涙を流して向井も見つめ返す。
最後に見た時より、痩せた気がする。鰓の周りや頬や腕には前までなかった新しい鱗が無造作に浮かんでいた。
それでも泣き顔は離れた時から変わらない。
14年前、自分が彼を好きになったのも泣き顔を見た時だった。
目黒は向井の涙を指で拭い優しくキスをする。
🧡「んぅ…っ!め、めめ…っ」
🖤「好きだよ。康二、大好き。会いたかった」
何度も角度を変えてキスをすると向井の体から力が抜けていく。
そしておでこ、首筋にもキスを落としていく。
🧡「やっ…!」
🖤「ねぇ康二は?俺の事好き?」
🧡「俺は…」
🖤「教えて」
🧡「…好き、俺もめめが好き…!」
やっと聞けた向井の告白。
目黒はもう一度唇にキスをした。
🖤「ありがとう、もう二度と離さないから」
信じられなかった。
ずっと片思いだと思っていたのに。報われないものだと諦めて海に沈めたはずなのに。
14年前から自分のことを好きだったなんて。
自分が恋心を自覚するよりも前からだなんて。
向井は体がフワフワしていた。
久しぶりに感じる目黒の体温、匂い、低い声。
何度も好きと囁きながら落としてくるキスは前に事故で1度だけしたキスよりもずっと甘い。
🧡「めめっ…あんま顔みんで…!恥ずい…」
🖤「ヤダ」
🧡「汚いって…!顔に鱗もできてもうて…」
🖤「汚くない、綺麗だよ」
ようやく見つけて貰えた。
深海に沈めたはずの鱗をまとった恋心を。
バレないようにしていたが…隠す必要もなかったのかもしれない。
随分遠回りをしたものだ。
恋心にまとわせた鱗が剥がれていく。
この恋心がもう一人ぼっちになることはきっとないだろう。
🧡「めめってそんな歯の浮くセリフ言うキャラやっけ…?」
🖤「康二だからだよ。14年の反動舐めないでね」
🧡「それ言われると…なんも言えん」
🖤「移動しよう。あべちゃんとふっかさんが待ってる」
🧡「あの2人に会うのも久々やわ」
🖤「捕まって」
向井は目黒に姫抱きにされ、海からザバッと上げられて浜辺へと向かっていった。
コメント
6件
もぉぉぉーー泣泣泣泣💖😭 再会できたし、付き合ってくれてありがとう😭😭😭 もぅ、心臓が、、溶けそうな感じ(?) めめの14年間の分の反動を康二には受けとって欲しいね、、💘 あべふからうにもめっちゃ感謝ですわ、

早速拝見させて頂きました!もう、やっとですね!!✨️😭 やっと2人の想いが通じあって、一緒になれて、ほんとのほんとに感動しました!!🥹💕 これから康二くんは人に戻れるのか、佐久間くん行方は、あとラウールくんと康二くんの再会も楽しみにしています!ほんとに毎度のこと素晴らしい作品ありがとうございます✨️👏🥺 次回も楽しみにしています!!
泣いていいですか。泣いていいですよね?泣きますよ うぇーーーん😭 こんな風に胸がきゅうってなるお話は中々書けたもんじゃないです めちゃくちゃ感情移入してしまって… ただただめめこじに幸せになってほしい ただ佐久間担としては海に残されたさっくんがどうなるのかも気になってしまう💦 聞いてもいいのか分からないですけどこの後出てきたりしますかね?
めかぶぷりん
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#あべさく
うめぼし
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