「行ってもいい」と言った宏忠さんが、黙ったままの私の髪をくしゃくしゃと撫でた。
「心配なんだろ?」
「……うん」
「会場まで送っていく」
「一緒に行かないの?」
「週明けまでにやっておきたい仕事がある。今日はもう帰るよ」
「でも、」
「気にするな。またいつでも会えるだろ」
そう言って微笑んだ宏忠さんの表情に少しだけ違和感を感じながらも、たけるの元へと向かった。
会場に着くと沢山の人がいて、時折、大きな歓声が上がる。
たけるの試合はもうすでに始まっているようで、電光掲示板には1秒ずつ進むタイマーと0-1と相手チームがリードしている得点も確認できる。
コートに目を向けると、ちょうど、たけるの前に2人の相手選手が立ちふさがり、激しいボールの奪い合いが繰り広げられてた。しかしチームのエースとして活躍するだけあって、たけるはボールを巧みにキープする。
たけるが上手だ*********************
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