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小屋の外に連れ出されたアオイはアカネから重大なことを聞いていた。
「……え?」
「だから、妹ちゃんを探してるの、あの化物は」
「僕を?」
「そう、私達があの化物にたどり着いたとき、眷属を使って人を集めていたの、そしてある共通点に私達は気付いた、黄色い髪、青い瞳、白い綺麗な肌の人、そして顔を魔法整形した人」
「僕の特徴がある人達……」
「そう」
なんで?と思ったが、俺の中で納得がいかない事が1つあった。
「僕の記憶が無い間に何かあったのかな?」
まさか、そんなことがあり得るのか?
ヒロスケの件と言い、今回の件……“俺は何か操られている?”
「妹ちゃんも記憶がないの?」
「僕“も”?」
「実は、アンナさんもなの、もしかして妹ちゃん、記憶ない所って」
「目が覚めたらもうあの化物が居て町が混乱していた」
「アンナさんも同じよ」
「……」
「あーたん、来て」
アカねーさんが呼ぶと小屋の屋根からモフっとモフモフウサギが出てきた。
「あ!君は!」
覚えている。
コロシアムで俺を救ってくれた魔物だ。
「この子はアールラビッツの《あーたん》です、この子に乗って妹ちゃんは__」
「__逃げないよ、僕は」
「え?」
「僕に逃げてって言ってくれるんだろうけど、僕は断るよ」
「どうして?その……悪いけど妹ちゃんが何か出来る状況じゃないよ?」
「うん、僕は魔法も1つしか使えないし魔皮紙も最近使えるようになった新参ものだけど」
「だけど?」
「リュウト君もヒロユキ君も頑張ってる、残り1人の勇者の僕が逃げるなんてカッコ悪い事は出来ない」
「でも、居た所でどうにかなる状況じゃ……」
「とっておきの作戦があるんだ」
「作戦?」
「うん、その作戦には僕の護衛に付いてた人の力が必要なんだけど一体どこに__」
「__居るぞ」
「ひゃぃっ!?」
「っ!あなたは!」
気が付いたらまた後ろに黒騎士が立っていた。
こいつ……いつも驚かせるな。
「妹ちゃん!下がって!」
あかねーさんは黒騎士を見ると俺の手を引いて庇うように戦闘態勢に入り、あーたんと呼ばれたモンスターもそのモフモフを逆立てて威嚇している。
「なんであなたがここに居るんですか」
「俺がどこに居ようと関係ないだろ、今はお前たちに取り合ってる暇はない」
何やら因縁があるようで?というか!そんな事してる暇はない!
「えと、あかねーさん?この人は大丈夫だよ?僕の護衛についてもらってる人だから」
「護衛?」
それを聞いてアカ姉さんは黒騎士を見る。
「辻褄は合っているはずだ」
「…………そう、見たいですね」
なんとか納得してくれた?みたい……とにかく!この人が来たならこれから犠牲者無く作戦が実行できる!
「じゃぁ、説明するよ」