準備を終えた出演者一二人は、セットの部屋の中に集められた。
広いリビングのような内装で、四人掛けや一人掛けのソファがあり、その他あちこちに座布団やアンティーク風の木の椅子が設置されている。他には本棚やおしゃれなラックなどもあって、海外ドラマの主人公が今にも部屋に飛び込んできそうな洋風で美化された生活感がある。
「ここで各々自分の家のように寛いでください。スマホをいじってもいいです。自然体な感じでお願いします」
番組の最初に、今をときめく出演者たちの素っぽい姿を流したいらしい。『自分の家のように』と言われても、本気で同じくらい寛ぐ出演者はいないだろう。漠然とした指示に、顔を見合わせて戸惑っている子たちもいる。
最初に動いたのは華蓮だった。
本棚から海外のファッション誌を取って四人掛けのソファの端に腰を下ろすと、パラパラめくり始めた。*******
********
*******
*************
*************
***************
*******************
************************