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第四十三話「スケアリーの皿」
🔪登場:盛り付けられたスケアリー
ステージ中央。
そこには銀の皿。
氷のように冷たい輝きを放つ一枚に、
スケアリー自身が横たわっていた。
黒髪は一房ずつ櫛で整えられ、
深紅のコートは“ナプキン”のように折り畳まれ、
その下の肌はまるでフォアグラのように白く脂をまとっていた。
目元には微笑。
けれどその瞳孔は――すべてを許していた。
🔪ユリウスの姿
黒のシャツにエプロン、
白の手袋をしたユリウスが一歩踏み出す。
「……いただきます。」
その言葉は、宣戦布告でもあり、弔いの祈りでもあった。
🔪スケアリーの実況「自分実況・禁断の共食いグラタン」
「うひっひっひっひッ!!!!」
スケアリーが“皿の上から”実況する異常空間。
「わたし自身を実況しながら喰われるなんて!!!
**これぞ究極のスケアリーイズム!!!」
「ねぇ見て!!!!
この脂肪!!!!この筋!!!
**“恐怖でマリネした人間性のグラタン”って感じ!!!!」
「ユリウスのフォークがね!!!
**わたしの虚無をくり抜いて!!!!
その中に“美の答え”を詰めてるの!!!!」
「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ン゛ン゛!!!!!」
※実況しながら食べられているため、たまにむせている
🔪ユリウスの感覚:味の中に“答え”がある
スケアリーの肉を一口。
それは熱くも冷たくもない、感情そのものの温度。
“罪悪感の甘さ”
“自己否定の酸味”
“恐怖の焦げ”
“美学の旨味”
そのすべてが一体となった瞬間――
ユリウスの中に、「答え」が現れた。
🔪ユリウスの一言
「これは……完成じゃない。」
スケアリーの体がピクリと動く。
「お前の味は、まだ“未完成”だ。
誰かに喰われて終わるために、作られた料理じゃない。
これは、“他者を料理し続ける者の味”だ。」
🔪スケアリー、涙のラスト食レポ
「……っく……ひひっ……
うん、そう、だよね……っ」
スケアリーの瞳から静かに涙が零れる。
「わたしは……
“完成されたかった”んじゃなくて……
ずっと、“完成されないまま”誰かに見ててほしかっただけ……だよね……」
「ねぇユリウス……
わたし……おいしかった?」
ユリウスは黙って頷き、
皿の上にフォークを置いた。
それが――
スケアリーという料理の、“完食の合図”だった。
次回 → 第四十四話「恐怖の継承」