陶芸家とその奥様が営む店を後にした私たち。並んで歩く足元には、夕日に照らされて伸びた影が寄り添い合っている。
秋の始まりを感じさせる冷たい風が強く吹いて、髪の毛をボサボサにしようとする悪戯に抵抗して、手で髪を押さえる私の仕草を真似する影と寒さに震えて縮こまる涼の影。何も特別じゃない、そんな日常の光景になぜかじんわりと心が温まる。
「素敵なご夫婦だったね」
「うん。なんかさ、ああいうのいいよね」
「うん、そうだね」
何がどういう風になんて、細かく言わなくても、ニュアンスで伝わる”良い”に私は頷いた。
あの強面でぶっきらぼうに話す店主が奥様が相手だと、口元には笑顔を浮かべ、口調はほのかに甘みを帯びる。奥様のことを大事にしているというのが、言わずともこちらまで伝わってきた。
そんな2人を見ていると「いつかは私と涼も?」なんて、そんな言葉とともに頭の中に未来の2人*****
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