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由天。
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51話 1450スポット 図書館と閲覧広場 棚のあいだの時間
放課後。
1450スポット。
天井は高く、
声は上に逃げていく。
床に座る子。
柱にもたれる子。
広場の縁に腰かける子。
リカは、
少し大きめの本を開いている。
紙は厚く、
角は丸い。
めくるたび、
乾いた音がする。
近くの棚。
新聞が積まれている。
日付はばらばら。
折り目が深いものもある。
別の子は、
番号だけが並ぶ紙面を追っている。
意味は追っていない。
指でなぞっているだけ。
絵本の棚。
誰が読むのか、
分からないサイズ。
リカは、
なんとなく一冊引き抜く。
文字は少なく、
絵が大きい。
説明はない。
椅子は決まっていない。
読む場所も決まっていない。
紙をめくる音。
石がそっと置かれる音。
足音は、
すぐに消える。
誰も話さない。
でも、
ひとりでもない。
時間は、
区切られていない。
本は閉じられ、
また開かれる。
放課後は、
そのまま
広場の中に
溶けていった。