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蓮司の相談室２

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蓮司の相談室２

第16話 - 第16話

2025年10月16日

#BL

#一次創作

#お悩み相談室

#短編

#読み切り

ruruha

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夕焼けの光が教室の床を赤く染めている。ドアのノックが小さく響き、蓮司は顔も上げずに言った。

「どうぞ」

小柄な少年がそっと入ってきた。肩を落とし、足元ばかり見つめる。

「……相談があって」

蓮司はペンをくるくる回しながら、ちらりと顔を上げた。

「どんな相談だ？」

少年は息を整え、指を絡めながら口を開く。

「俺……孤独だと落ち着くんです。でも一人だと不安で。

誰かと一緒にいると疲れるのに、独りだと胸が押し潰されそうで……」

蓮司は軽く肩をすくめ、少し笑った。

「矛盾してるな。まぁ、そういうもんだろ」

「……分かってます。でも止められなくて」

少年は俯いたまま、声を震わせる。

「一緒にいても疲れるのに、独りになると不安で、結局どっちも逃げられなくて……」

蓮司はペンを机に置き、窓の外を見やる。

「止める必要なんてねぇだろ。疲れるなら疲れればいいし、不安ならそのままでいい」

少年は袖を握り、肩を震わせる。

「でも……怖いんです。独りも、人といるのも」

蓮司は肩をすくめ、軽く笑った。

「怖いのは当たり前だよ。でも、どっちにしても、ちょっとずつ慣れるもんだ」

彼はペンを指で弾き、視線を少年に戻す。

「独りでも、誰かといても。少しずつ落ち着く瞬間は作れる。無理に決める必要はねぇ」

少年はゆっくり息を吐き、少し肩の力を抜く。

夕陽がオレンジ色に染まり、教室の机や椅子の影が長く伸びていた。

沈黙の中で、少年の胸の奥に、小さな光が差し込むような感覚が残った。

蓮司はペンを持ち直し、軽く机にもたれたまま言う。

「焦らなくていい。今は、ここにいるだけでも十分だ」