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第25話:連携の波
合同訓練三日目。アリーナは四人同時に立てる広さに拡張され、床には四色の地区章が輝いていた。

今日の課題は——波同期。

味方同士の香波を合わせ、最大効率で波障壁を突破するチーム戦だ。


黄波代表チームは、拓真と陸、そして黄波の女子選手・水城(みずき)。

水城は栗色のショートヘアに、落ち着いた琥珀色の瞳。

普段は穏やかな緑波を保ち、無駄な力を使わない“波の節約家”だ。


「拓真くん、合わせるよ」

水城の声に、拓真は深く頷く。

だが、その横で陸は腕を組んだまま、波を見せない。絶香者ゆえに同期はできず、別動隊として動くしかない。


試合開始の合図。

相手は紅波の篝と藍波の長身青年・蒼田(そうだ)。

蒼田は端正な顔立ちに長い足、濃紺の波を一定のリズムで放ち、篝の赤波を包み込むように支えていた。


——あれが理想的な波同期か。

二人の波は色が違っても、揺れ幅や呼吸がぴたりと合っている。


一方、拓真と水城は波色も揺れもバラバラ。

水城が緑から橙へ変えた瞬間、拓真はまだ橙に上げきれていない。

そのわずかなズレを蒼田が突き、二人同時に押し返される。


「くっ……!」

拓真は悔しさを噛みしめながらも、水城に視線を送る。

——まずは俺が合わせるんだ。


呼吸を相手に合わせ、波の上げ下げを一拍遅らせて同期を試みる。

次第に、床パネルに二人の橙波が同調していく。

「行ける!」

二人は同時に波障壁へ突進。橙波の干渉が赤波を一瞬だけ崩し、陸がその隙間から滑り込んで捕縛リングを放った。


「ヒット! 黄波チーム!」

勝利の宣告が響く。


試合後、水城が微笑んだ。

「少し合わせやすくなったね」

拓真は汗を拭いながら頷く。

「波の濃さじゃなく、呼吸を合わせること……これからの武器にします」


陸は何も言わず歩き出したが、その背中は僅かに楽しそうだった。


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