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コメント
1件
やだ超好き…… えげすばらな作品ありがとう…… れうってやっぱ才能に溢れてるわよ! 色々ちゃんと学べば、さらに輝きそうね! とにもかくにも連載お疲れ様!!ჱ̒ ᷇ᵕ ᷆ )
そして、葉月の全てを書いた新聞は世の中に広がり、テレビ放送とまでなった。
正直ここまでなるのは驚きだ。
たかが部活動なのに、
ここまでなるのは本当に驚きだ。
明るい太陽が登りだした朝、
テレビをつける。
テレビには僕が書いた新聞、葉月の顔写真が何回も、何回も、伝えられている。
みんなの記憶に残るように、
みんなが忘れないように。
鮮明な記憶になるように、テレビは何回も繰り返し呟いていた。
『この子は珍しい病気で──』
『この子のことを、世界中のみんなで覚えてあげましょう──!』
『お盆の日に皆様でこの子のことをお迎えしてあげましょう──!』
『きっと、この子は皆様に覚えられて嬉しいでしょう──!!!』
そうやって、ニュースキャスターは語る。
僕は、やり慣れた朝の支度をし、
出かける準備をする。
服はお気に入りの紺色のパーカーを着崩し、
ズボンは淡い青色のデニム。
すると、ここで母親から呼びかけが入る。
「一澄ー!朝ご飯置いてるよー!」
「はーい!すぐ行くよ!」
朝ご飯は食パンに紅茶。
食パンに塗るためのいちごジャム、ぶどうジャム、メロンジャムが机に3つ並べて置いてある。
この3つのうち、どれかを選ぶのが日課だ。
一昨日はぶどうジャム、昨日はいちごジャムを選んだ。まだ1回も使ったことのないメロンジャムを今日は使ってみよう。
美味しいのかもわからず塗るジャムは不思議な気持ちだ。
メロンジャム…
ビンに書いてある通り、色は緑色だ。
緑色というより黄緑色だろうか。
黄緑色の食パンを見るなり、
口に食パンを頬張る。
「んっ…あむっ…」
すごい不思議な味だ。
メロンなのか、メロンじゃないのか、
よくわからない味だ。
ビンにはメロンと書いてあったから
メロンなのだろうけど。
これはメロンなのか…?
よくわからない味で、メロンなのかがわからない。
例えるとマンゴーみたいな味だ。
これはメロンじゃなく、マンゴーなのでは…?
母に問いつめてみる。
「母さん!このメロンジャム、本当にメロンジャムなのか?」
「当たり前にメロンジャムよ〜。な〜に?どうしたの?」
「いや、すごいマンゴーみたいな味がするんだよ…」
「マンゴーの隣にビンを置いてたから、もしかしたらそのせいかもね〜!!ははっ〜!」
呑気な笑い声だ。
マンゴーの隣に置いていただけで、こんなにも味が変わるのか?
不思議だな…。
一体どんな風に置いたらそんな味になるんだ…?
マンゴーと言ったらマンゴーが食べたくなってきた。
「母さん、マンゴー食べたいんだけど。」
「今からはちょっと無理だけど〜、昼のおやつで置いておくね!」
今からは食べれなかったか。
まぁいいか。
おやつで食べれるんだ。
帰ってきたら食べよう。
朝ご飯も食べ終わり、することも終わった。
さぁ、翠の元へ行こう。
68
#ヒューマンドラマ
翠のお墓を綺麗にしなくては。
翠が待っているだろう。
外に出るなり、携帯のニュースを確認した。
ニュースは未だに翠の情報だった。
ついでにニュースの口コミも見てみる。
もちろん悪い口コミ、良い口コミもある。
『こんなことでニュースにすんのかよ』
『ニュースってこんなんだっけ』
『毎日同じことのニュースばかりで飽きるんだが』
そんな悪い口コミもあった。
だが、それを見て自然と悪い気持ちにはならなかった。
このおかげで、悪い口コミもあるからこそ、
翠が世界に残り続けるのだと思ったから。
これで翠は世界に残る。
世界中のみんなに覚えられる。
これでもう、翠は消えない。
二度と、消えることはない。
世界中のみんなが、翠を忘れないだろう。
いつになっても、
翠は世の中に残り続けるはずだ。
もう二度と会えないだろうけど、
二度と〃好き〃を伝えられないだろうけど、
二度と〃大好き〃を伝えられないだろうけど、
二度と〃気持ち〃を伝えられないだろうけど、
いくら新聞を読んでも思い出せないかもしれないけど、
今なら自信を持って言えることがある。
それは、
君が宇宙一輝いていたということ──。
世界は広い。
その広い中で一番輝いていたのは翠だと、
自信を持って言える。
広いこの世界で、翠は輝いていたんだ。
誰よりも。
星になった翠でも、
おそらく僕は翠を見つけることができる。
なぜならば、翠は輝いていたからだ。
大きく、どの星よりも輝いているのが、
きっと、翠だ。
明るいイメージはそのままだ。
星は無限に広がってあるけど、大きく明るい星が、
翠なのだと僕は思う。
本で見たことがある。
星と月はいつでも一緒なのだと。
星がなければ、月は輝けないし、
月がなければ、星は輝けないのだと。
だから、深夜、0時を過ぎた頃。
君と行った海に、もう一度足を動かし、
一番星に向かって手を伸ばし、呟いた。
「僕が、月になるまで、待っててね」