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「ち、ちょっと待って、えーっと、つまりアンタは勇者で奴隷って事?」
「はい……」
「勇者、ねぇ」
「勇者ってどんなのか知ってます?」
「私もそういう神話とかに詳しくないけど、小さい頃に聞いたくらいかしら、絵本で有名なのが『クリスタルドラゴンを倒した勇者』『悪い魔王から世界を救う勇者』とかだけど、これは空想の作り話と言われてるわね」
「どうして?」
「どうしてって、絵本なんだから本当かどうか一般の私達に解るわけないじゃない?」
確かにそうか、俺だって絵本の「鬼は本当にいるの?」って言われても答えれないしな。
「まぁ、勇者の事は私に聞かれても専門外よ、そう言うのは絵本が真実がどうか調べてる人達に聞きなさい、私が気になってるのは、あんたが病むキッカケになった出来事よ」
「ヒロスケ……」
「そう、そこに不可解な点が多いわ、本当に寝てただけなのよね?」
「はい……」
「そうなると、呪いの類いか、もしかすると記憶を消されてるか?でもどうして……その必要が……」
何やらアンナ先輩は色々考え込んでくれている。
「!?」
「な、なに!?」
そんな中、突然地震が起きた!
え?海の上なのに地震!?
「アオイ!怪我しないように掴まってて!」
「は、はい!」
「まずいわね、今この船に沈没されると私たちは確実に死ぬわ」
うぇえ!?
「ほら!いつまで寝てんの起きなさい!」
アンナ先輩は気絶している看守の顔をバンバンと叩きまくって起こす。
「!?、貴様よくも!」
看守は柵の外からアンナ先輩の胸ぐらを掴むが__
「あんた本当にバカね、今の状況わからない?」
「!?、チッ!後で覚えてろよ!」
アンナ先輩の忠告で冷静さを取り戻し部屋を走って出て行った。
「その!これって助けなんですか?」
「いや、いくらなんでも早すぎるわ!これはきっと普通にトラブルよ!こればっかりはあの船長の腕にかかってるわ、何が起きてるか私にもわからない!」
徐々に地震が小さくなって行った頃合いでまたあの看守が戻ってきた。
「お前達、船長がお呼びだ、こい」
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