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ねえ、最近どうなの?」
親友の奈緒がカフェラテを手にしながら何気なく聞いてきた。
「……何が?」
「何がって、阿部くんとのことに決まってるじゃん」
その名前を聞いただけで、胸がギュッとなる。
「うーん……忙しそうで、全然会えてない。1ヶ月以上くらい」
そう答えると、奈緒は少し心配そうな顔をした。
「まじか……寂しくないの?」
寂しいに決まってる。
でも、それを口に出すのはなんだか負けたような気がして、私はストローを弄びながら視線を落とした。
「寂しくないって言ったら嘘になるけど……しょうがないよね。亮平くん、アイドルだし」
「アイドルだからとかじゃなくて付き合ってるのに、こんなに会えないのって普通なの?それって付き合ってる意味ある?」
その言葉に、ドキッとした。
「そんなこと……」
「だって、好きな人には会いたいものでしょ? それができないなら、寂しくなっちゃうじゃん」
本当は、奈緒の言う通りだった。寂しくて、辛くて、でも彼を責められなくて——。
「私、どうすればいいのかな……」
ポツリとつい言葉をこぼしてしまった。
「◯◯はこのままでいいの?」
奈緒の真剣な声に、私はコーヒーカップを持つ手を止めた。
「……どうしたらいいか、わからないし」
「阿部くんにちゃんと気持ちを伝えた?」
「伝えたいけど……迷惑かなって思っちゃう」
「迷惑って……なんで?」
奈緒は少し驚いた顔をした。
「だって、忙しいのは事実だし、私が会いたいって言うことで負担になったら嫌だから」
「でも、好きな人と会いたいって思うのは普通のことじゃない?」
その言葉に、言葉が詰まる。
「それに、阿部くんがどう思ってるのか、ちゃんと聞いてみたの?」
「……ううん」
奈緒は小さくため息をついた。
「会えなくて寂しいって思うことを我慢し続けるのって、すごく辛いことだよ。いつか限界が来ちゃう」
奈緒の言葉が、心に深く突き刺さる。
「……私、ちゃんと向き合うべきなのかな」
「うん。そうしなきゃ、本当に後悔するよ」
その言葉に、私はそっと拳を握った。