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イシダはパソコンに日記を綴っている。

2154年 6月18日

“今日はカズヤの誕生日だ。俺は息子のことを誇りに思っていた。殺伐とした世間の中、ロボット研究の第一線で活躍していたカズヤは、人類の希望となり得る人材ともてはやされ、何者でもない俺たち夫婦も天才を生み出した親として、世間から羨望の眼差しで見られていた。カズヤが旧式ロボットが起こしたテロの勃発に関わったという、噂が世間に広まる前までは。

元々人間嫌いだったカズヤは、感情を持つことができ、かつ人間のような醜い感情を持たない存在であるロボットを作り、世の中に広めたいという夢を持っていた。その夢をもとにカズヤはロボット研究を始めた。カズヤは好きなことには、周りが見えなくなるほど没頭できる性格だった。

最初は感情を持つロボットなど必要ないと笑っていた周りの研究者も、次第にカズヤの熱量に感化され、カズヤの周りには優秀な人材が集まるようになり、ついにカズヤは優れた感情をもつロボットの開発に成功した。カズヤ達が世に出したロボット達は、度重なる戦争や不景気で疲弊した人間を癒すことに成功し、世界は一時的に平和を取り戻していた。

しかしロボットが世間に溢れるのを良く思わない人間もいた。ロボット達を差別し、ロボット達を奴隷のように扱う人間もいた。次第にロボット達は人間によって妨げられる存在になっていった。

カズヤによって生み出されたロボット達に感情があった分、ロボット達も辛い思いをしていただろう。そして事件が起きてしまった。世界各国の感情を持つロボット達が一斉にテロを起こしたのだ。ロボット達は各国の主要都市を狙ってテロを起こし、一時的に世界はパニックに陥いったが、ロボットの機能を停止する超音波が開発され、テロはしばらくして鎮圧された。

この超音波を開発し、世界に提供したのはカズヤである。これによりカズヤはテロの鎮圧に貢献した英雄だと思われたが、しばらくしてカズヤに関する噂が世界に広まり始めた。その噂とは、テロの勃発から鎮圧まで、カズヤが仕組んだことだったのではないかというものだった。

根拠としては、テロ勃発からの超音波の発表が5日とあまりにも早かったこと、そしてそもそもテロを起こしたロボットの開発者がカズヤであったことだ。

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