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第3話「最強の鬼ごっこ」
1. 放課後の校庭
「よーし、今日は鬼ごっこしようぜ!」
芦野 勇(あしの いさむ)が勢いよく宣言した。彼の害獣 ダッシュ は、超反射能力を持つ害獣だ。
「いいな! でも俺が鬼だったら、誰も逃げられないぜ?」
クラスメイトたちが盛り上がるなか、影 道(かげ みち)はニヤリと笑った。彼の害獣 シャドウ は「影に溶ける」能力を持っている。
「ずるい!」
「影に入ったら見えなくなるじゃん!」
みんなが文句を言うが、影道は腕を組んで堂々と言い放つ。
「見えなくなるのも技術のうちだ。」
「ゲームバランスが崩壊してる……」
目蒲 安(めがま やすし)は冷静につぶやいた。彼の害獣 ジグマ は記憶力特化型で、身体能力は普通だ。
「でも、やってみなきゃわかんねぇ!」
芦野が勢いよく走り出した。
2. 鬼ごっこ開始!
「じゃあ、俺が鬼な!」
芦野が数を数え、みんなが一斉に逃げる。
「さて……どう隠れるか。」
影道は校庭の端へ走り、シャドウと共に影に溶け込む。
「お前、さっそく見えなくなってんじゃねぇか!」
芦野が叫ぶが、影道の姿はどこにもない。
「どこ行った!? 見えねぇ!」
「影道ズルすぎ!」
そのとき、ナビス(道有成の害獣)が助言する。
「かくれんぼじゃないんだから、逃げ続ければいいんだよ!」
「なるほどな!」
芦野はダッシュの力を使い、一瞬で間合いを詰めた。
「見えなくても、近くにいるはず……」
影道の気配を察知し、無理やりタッチ!
「えっ!? どうやって!?」
「ダッシュの反射神経なら、予測で動けるんだ。」
「すげぇ……!」
3. 終盤戦、ジグマの策
残るは 目蒲 と ナビス。
「……そろそろ逃げ切れなくなるな。」
ジグマが小さくつぶやく。
「安、そろそろ策を使うか?」
「やるしかないな。」
ジグマは記憶力を活かし、校庭の影の位置を完璧に把握していた。
「影道、シャドウ、ここで俺を助けてくれ。」
「ほう……お前、俺を利用する気か?」
「使えるものは使う。ゲームに勝つために。」
ジグマは影道の影の近くへ入り込み、芦野の視界から姿を隠した。
「ちっ……また見えねぇ!」
「終わりだな。」
目蒲が余裕の笑みを浮かべたその瞬間——
「そこだ!!」
芦野が一気に飛び込んだ。
「えっ!? なんで!? 影に隠れたのに!?」
「ジグマが影道の影を頼ると思ったからな!」
「完全に読まれてた……!」
ジグマは負けを認めた。
4. 鬼ごっこ終了
「はぁ……はぁ……終わった……」
全員が地面に倒れ込む。
「影道の能力、強すぎるけど……なんとか勝てたな!」
芦野がガッツポーズ。
「でもさ、これ鬼ごっこなのに、最後は頭脳戦だったよね。」
目蒲が苦笑いする。
「それも戦略のうちだろ?」
影道は不敵に笑いながら、校庭の影に消えていった——。