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見学者の男性3人

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2022年01月06日

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「はーい。今日は授業を始める前にお知らせがありまーす」


お知らせ…、

まぁ隣にいる男性3人。今日授業を見学しに来た人達かな…


「この人達は今日の授業をしている間、見学しに来た人達です。まぁ先生の助人みたいなところかな」


「あ、自己紹介した方がいいですよね?」


「あーそうですね!しときましょう」


先生と男性がペコペコと何回もお辞儀をした後に、自己紹介を始めた。


「えー___と言います〜。今日1日だけでも生徒の皆さんと仲良く出来たらなと思っています!よろしくねー!」


その男性は、眼鏡をかけており、少しぽっちゃりとしている。


俺はその男性の声が、聞き覚えのある声だと気付いた。


「私は___と申します〜。よろしくお願いします〜。」


背が少し低い男性。

この男性の声も何処かで聞いた事があるような…


「__と言います〜。今日は1日よろしくお願いします」


金髪の男性。

この人の声も聞いた事がある。


誰だっけ…

何処かであったっけ…


「はい、じゃあ歴史始めますね〜」


考えていると、いつの間にか黒板の右上には、『歴史』と書かれていた。

俺はそれを見て、急いで教科書やノートなど用意して、授業が終わるのを待っていた。


そして放課後、

友達と話しながら教室を出ようとしている生徒、

教室に残って、友達とわいわい賑わっている生徒、

先生に話しかけて楽しく喋っている生徒


他の子の席の周りには必ず人が2、3人集まっているのに、俺の席には誰一人もいない。


その俺を見学しに来ていた3人の男性達に見られているので、恥ずかしく感じた。



「はぁ…」


よりにもよってその男性達は俺の席の近くにいる。



「ねぇねぇ」


その男性の1人が俺に話しかける。


「はい…?」


侮辱でもしに来たのか、

俺は嫌々返事をする。


「趣味とかあるん?」


そんな質問が来るとは思わなかった為、俺は驚きながらも答えた。


「えーと…ゲーム実況者好きなんでよく見ます…」


好きなゲーム実況者と言えば「○○の主役は我々だ!」。


ん…?そういやこの人達の声って我々だの鬱先生とロボロさんとゾムさんの声に似てるな…


俺は何故聞き覚えがある声なのかが分かった。


「そうなんやね〜。好きな人とかいるん〜?」


その隣にいた、背の低い男性が優しく問いかける。


「あw○○先生こいつ陰キャなんで喋んの苦手なんすよw」


と、その男性3人と話していた俺を見つけ、いつもからかってくる陽キャが間に入る。


「おー君は陽キャだね〜笑」

「あ、バレました〜w?わぇーいw」

「明るいね〜w」


背の低い男性はちょっと困りながらも笑顔で対応してくれている。


あー…これでまた俺の話す隙が無くなるんだよなぁ…


「えーと…(俺)君だっけ?」

「あ、はい」


突然、俺の名前を呼ばれ、少しビクッとする。


「ゲーム実況者好きなんやね〜。どんなゲーム実況者が好きなん〜?」


ロボロの声に似ている男性。

話し方が、とてもはなやかで優しい。

僕の事も忘れずに話しかけてくれる。


なんだかんだ3人の見学者の男性の中で、1番優しいかもしれない。


「主役は我々だっていうグループ好きです…ね


「へぇ〜!我々だ好きなんや!俺達も好きやねん〜!」


ゾムの声に似ている男性が『主役は我々だ』という単語に反応し、明るく喋る。


「我々だで誰が1番好きなん〜?」


鬱先生の声に似ている男性が質問した。


「えーと…ロボロさんですかね」


強いて言えばロボロさんかな…

と、悩みながらも言った。


「掃除機でハムちゃん吸う奴かw?」


ゾムの声に似ている男性が笑いながら楽しそうに言う。


「じゃあさ、じゃあさ、(俺)君にとったらロボロさんはどんな印象なんw?」


鬱先生の声に似ている男性が笑いを堪えながらも質問する。


「あー…チビ。」


俺は思った事をそのまま伝えた。


「wwwww」


すると1人以外の男性2人はとても笑っている。


「背が低いじゃなくてチビかぁ…w」


ロボロの声に似ている男性が2人が笑っている中で言った。


一方そのからかってきた陽キャの生徒は我々だを知らないため、話について行けず笑っていながらも、戸惑っている。


そして、その生徒は他の友達を誘い、帰って行った。


「あ、先生、今日は本当ありがとうございました〜」


担任の先生が、その男性3人にペコペコお辞儀をしながらお礼を言っている。


「いえいえ〜!こちらもとても勉強になりました!」


男性達は担任と同じようにペコペコお辞儀をする。


「あ、(俺)君、じゃあなー」

「楽しかった〜!ありがとー」


「あ、はい」


そしてその男性達は担任と共に去っていった。


「俺も帰ろっかな…」


久しぶりに学校で楽しく話したので気分が上がった俺は、いつも1人で帰っている寂しい放課後が、いつもと違って自分だけの世界のように思えたのだった。












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