「浩太、大丈夫?」
そう梓に声を掛けられて俺は我に返った。
とうに目の前には佑志の姿はなくて、代わりに心配そうに俺の様子を伺う梓が居た。
「ああ、ごめん。梓の方こそ大丈夫か?」
本当は怖い目に遭った梓の事を心配しなければいけない立場なのに、その梓に心配されてしまっている。
「うん……。タイミング良く真下くんが来てくれて牧村も逃げて行ったから……」
「そっか。それなら良かった」
梓の言葉に俺は安堵の息を漏らした。
でも不意に違和感を覚える。
タイミング良く真下くんが来てくれて?
そう確かに梓は言った。
だけど佑志が梓を見つけた時には傍には牧村の姿はなかったと言っていた。
――つじつまが合わない。
佑志の思い違いか?
いや、冷静沈着な佑志がそんな間違いをするはずがない。
じゃあ……
「本当に佑志が来て牧村が逃げていったのか?」
「え?――あ、どうだったかな。あ**************************
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