テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
圭がボディバッグのファスナーを開くと、中から見覚えのあるジュエリーボックスを取り出した。
「これ。俺が美花に贈ったネックレス。もう一度、君に…………着けて欲しい」
長い指先が、繊細なチェーンを丁寧に掬い取り、金具を外す。
「…………いいの?」
「もちろん。いいに決まってるだろ?」
圭に腕を回され、美花の首元に、ホワイトゴールドのネックレスを掛けられる。
「前にも言ったと思うが、これは俺の美花に対する想いと気持ちだ。あと…………男避けな?」
音符型の小さなペンダントヘッドを圭に触れられながら、眼差しを絡めてくる。
艶を滲ませている圭の瞳に、美花の鼓動は大きく跳ね上がった。
空の色が紫紺に染まると、公園内の明かりが灯され、圭の面差しは深い陰影を湛えている。
「美花。会いたかった……」
男の色香を纏わせた彼が、甘やかな声色で囁くと、手を伸ばして美花の頬を包み込んだ。
華奢な身体を引き寄せ、彼が美花の顔立ちに浮かぶ花弁に、焦らしながら唇を重ねる。
触れるような口付けなのに、美花の身体は、芯から熱を帯びていくと、圭が顔を離した。
「もう……俺の前から…………消えないでくれっ……」
気持ちを抑え込むような、吐息混じりの圭の言葉。
美花は顔を赤らめながらコクリと頷くと、圭の指先が彼女の顎に掛けられる。
上を向けさせられると、さらに抱き寄せられ、圭に唇を奪われた。
「んんっ……」
呼吸をするのも憚られるような圭のキスに、美花の身体が次第に脱力していく。
深くも長い口付けは、互いの存在と想いを確かめ合うもの。
圭のキスを受けながら、美花の目尻から大粒の雫が、頬を伝っていった。
(こんな私の事を、想ってくれる男の人がいる……。真っ直ぐに向き合ってくれる男の人がいる……)
彼が唇を離し、薄茶の瞳に眼差しを受けながら、美花の中に嬉しさが込み上げていった。
──自分の全てを受け入れてくれる男の人は、圭ちゃんしかいない。
美花は圭の身体に腕を回し、ギュッと抱きしめると、彼は、さらに強く彼女を掻き抱く。
互いの強い想いと愛が再び重なり、美花と圭は身体を寄せ合っていた。
#ヤクザ
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
1,217
#シークレットベビー
#妬きもち
恵
578
コメント
1件
204話、ついにネックレスを再び着けるシーンか…! 「男避け」って言いながらも、想いを直接伝える圭の不器用で真っ直ぐな愛し方がグッとくるな。キスの描写も、互いの存在を確かめ合うような丁寧さで、美花が涙するシーンは特に胸に響いたわ。待ってた者同士の再会らしい、温かくて甘やかな空気がすごく良かった🔥