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この願いが君に届くなら
俺は永遠に君を探し続けるだろう
たとえ、この 命が尽きようと
「こら!野月!」
突然耳元で名前を呼ばれ、驚くのと同時に頭に衝撃が走る。
「ちょっ!先生!角はずるいっすよ!」
いつもと同じように教科書の角で攻撃をくらったと理解し、先生にいつもと同じことを言う。
「いつものことだろう!なんで毎回毎回居眠りをするんだ!」
クラス中がどっと笑いに溢れ、笑い声が響く。これがいつもの光景だ。
「後で職員室に来い!」
「またっすかぁ!?」
昨日も呼び出されたのに、運が無さすぎる。
「また、雑用押し付けられてやんの〜笑」
「うっせーな!」
こんな毎日が俺はたまらなく楽しい。だからいいのだ。
「失礼しまーす」
勢いよく職員室の扉を開け、『またかぁ〜笑』と言いたげな先生達に、笑って「いやー笑、参ったっすよ〜」
と言い担任の荒川先生の元へ行く。
「お前なぁ、授業くらい真面目に受けたらどうだ。テストの点数は上位のくせにこれじゃあ、成績が上がんないぞ。いつまでもそんな風にしてると〜〜〜…」
毎日のように聞いているその言葉は頭には入ってこず、『眠い』だとか、『腹減った』だとかしか考えられない。
「こら!聞いてんのか!」
「分かってますって〜」
「で、今日の雑用はなんすか〜?」
今日も仕事をさせられるに決まっている、と聞いてみたが
「今日ではない。というか雑用という言い方はやめなさい!」
「はーい。って、今日じゃないってどういうことっすか…」
「来週から夏休みに入るが最近はどうだ?」
「どうって、予定パンパンに決まってんじゃないっすか笑」
「…遊びか?」
「んなまさか!バイトっすよ〜」
母親が病気で入院している俺は毎日のようにバイトをしている。勿論、塾なんてものは行っていない。父親は今、海外に出張していて、生活費は送ってくれるものの、料理などの家事は全て俺がやっている。
「そうか。まぁ、頑張れよ」
「うっす!」
「で、雑用は?」
「だからなぁ〜…はぁ、まぁいい。夏休み明けに転校生が来るから世話をしてやって欲しい」