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マジカルモンキーの群れを殲滅し、ステータスを確認していたオレは、殺し損ねた一匹の猿の攻撃を受けそうになった。
しかし、それを助けてくれたのは、熊のような全身毛むくじゃらの男だった。
年齢は人間にして30歳くらいのおじさんみたいな人だった。
筋力はそれなりにあり、おそらく近く集落の守り手のような存在だと進は考察した。
失礼かもしれないが、自分の身を守るため一応鑑定しておくか。
そう思い、進は鑑定のスキルを使用し、その男の能力を見た。
名前:ルイーズ
種族:獣人
性別:男
Lv.26
クラス:狩人
◆パラメータ◆
体力:120
筋力:122
魔力:28
物理抵抗力:79
魔力抵抗力:67
精神力:79
器用さ:63
素早さ:60
◆装備◆
武器:銅の剣(+20)
防具:革の鎧(+15)
◆アクティブスキル◆
《剣技Lv.5》《弓術Lv.3》《乗馬Lv.2》《威圧Lv.2》
◆パッシブスキル◆
《タフネス》
◆称号◆
ロレーヌの村の守り手
鑑定した結果、やはりどこかの村の守り手のようだった。
オレは、助けてもらったお礼を言った。
「ありがとうございます。助かりました。あなたの助けがなければ、最後の猿の火球を受けているところでした。」
「ええっと・・・あなたは?」
鑑定で名前を確認しているが、一応こちらは名前を知らない体なので、名前を聞いてみた。
「私の名前は、ルイーズだ。」
「いや、森の見回りをしているところをいきなり大きい爆音が鳴ったので、気になったから来てみたら、君のような少年が大量のマジカルモンキーに襲われていたので、少し手伝っただけだよ。」
「君の方こそ何者だい?おっと、答えたくはなかったかな?」
「いえ、大丈夫です―――」
「オレの名前は、天童 進です。」
「ススムっていうのか・・・君はなぜマジカルモンキーの群れと戦闘をしていたんだい?」
「ここいらの人ならこの辺りがあの猿たちの縄張りであることくらい知っているハズなんだが?」
「この森林に来たこと自体が初めてなんですよ。」
「それで道に迷ってしまい、どうしようかと思っていたところあの猿達に襲われてしまった次第で―――」
まぁ嘘は言ってないよな。
「そうか・・・もしこれから行く当てがないなら私の村に来ないか?そこでならその傷の治療や多少の食料を分けることもできるだろう。」
「えっ、いいんですか?ぜひ行きたいです。」
この世界のことが聞けるなら願ったり叶ったりだ。
「ただ、治療に関しては、さっき習得したオレの白魔法を使えばできますよ。」
といって自分のケガを白魔法によって治療して見せた。
そのときルイーズさんは、激しく驚いたような顔でこちらを見てこう言った。
「まさか・・・君は白魔法を使えるのかい??」
どうしてびっくりしているのか分からなかったので逆に聞き返した。
「はい使えますけど―――」
「この世界の人は普通に魔法を使えるのではないのですか?」
「確かにこの世界の人や魔物で魔法を使える者は普通にいるし、特に珍しいものでもないが全ての人があらゆる魔法を使うことができるわけでもないんだよ。」
これはもしかしてやってしまったか?
進は自分が失敗した可能性があることを感じた。
「それは・・・つまり、才能が必要だと?」
「まぁ簡単に言ってしまえばね・・・特に白魔法と黒魔法に関しては、使用者はかなり珍しくこの世界でも100人もいないと言ってもいい。」
「さらに、一言で白魔法と言えど、自他の傷を癒してしまう回復の白魔法は、聖王国にある教会の聖女様しか使えないと言われている。」
この世界の回復魔法そんな貴重なのか?
「だから、君のような少年が癒しの白魔法を使えたことに心底驚いているよ。その力は周りに知られれば、悪用しようと君を狙ってくる輩もいるかもしれないから、使う場面には注意したほうがいいよ」
と、ルイーズさんは、真剣な顔で教えてくれた。
「そうなんですか―――、教えてくださりありがとうございました。」
「自分はこの世界のことをよくわかっていないんです。」
「図々しいのは承知していますが、良ければ村に着くまで教えていただけないでしょうか?」
そう申し訳なさそうに頼んでみると、ルイーズさんは快く承諾してくれた。
こうして、村に着くまでの間、オレはこの世界に関する情報を教わった。