「……初任給で買った、お前の一番のお気に入り。大事にしてるから、お前は滅多に外に着けて出かけない。――これが今の、お前の精一杯だろう?」
確信めいて告げた彼が小首を傾げて、私の頷きを求める。
「……何よ」
図星だろ?みたいな顔をして。
当たってるけど。
彼は掴んだままのダイヤを指先で 弄びながら、くすり、と笑みを零した。
「……懐かしいな、このネックレス。お前が一人じゃ店に入り辛いって言うから付き合ったんだったよな」
思い出を語る声が、私の記憶を呼び起こす。
学生の頃から憧れていたブランド。
いつかその店のアクセサリーを自分の力で手に入れたいと思っていた。
でも敷居が高くて、いざとなったら一人で行く勇気が出なくて彼を誘った。
「……よく覚えてる」
そんなこと。
私ですら今の今まで忘れていた、そんな出来事を。
言うと、彼が眩しそ*************************
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