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ありんす
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ねこなさま🐈⬛💘
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す㍄
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ソニアは腕を組み、涼しげな表情で言い放った。
「私が料理を作るなら、それなりに希少な食材じゃないとな」
「え~じゃあリガルドの王子様に揃えてもらいましょう。何でも揃えてくれますよね?」
ロゼが俺の瞳を見て、あざとい笑みを浮かべる。
「えっ? 俺?」
「この島の領主なんだからできますよね?」
いや、できなくはないだろうが、こいつの為に揃えるってのがやだな。
「じゃあ……何が必要なんだ?」
俺が問うと、ソニアは腕組みして考える。
「例えば……スパーククラゲに、ドスカジキザメの卵、クリスタルロブスター、グレートムカムフルーツくらいは必要だな」
さらりと上がった食材は、滅多に市場に出ない高級食材ばかりだ。
「スパーククラゲか。話による近づくと10万ボルトを放出するらしいな。ちょうど帯電スーツを試したかったし、テストがてらオレがとってきてやるよ」
ジャガーが腕を回しながら言った。
「ドスカジキザメはあたしが釣ってきてやるよ」
ヨハンナが任せとけとデカい胸を張る。
「クリスタルロブスターは爺やのツテを当たりましょう。恐らく手に入ると思われます」
「じゃあ、俺はグレートムカムフルーツを取りに行くか。ザビーナに聞いたら何かわかるだろ」
テキパキと役割分担が決まっていくと、ソニアはあわわわと慌てる。
「いや、そんなに無理しなくても大丈夫だぞ。別に集まらないなら仕方ないし」
「皆さんのご厚意、ありがとうございます! お姉様がとびきりの料理をご馳走してくれますので、ご期待ください!」
はしゃぐロゼとは対照的に、渋い顔をするソニア。
こうして、俺達の食材探しが始まった。
翌日――
ソニアはママ上に泣きついて、急遽料理訓練が行われることになった。
俺達はできるだけ訓練を引き伸ばす為に、ゆっくりと食材調達を行うことになった。
俺はグレートムカムフルーツを探しに、島の市場へと向かう。
「して、なんで君はついてきたのかね?」
俺は、後ろをつまらなそうについて来るロゼを見やる。
「いや、皆食材集めしてくれてるのに、あたしだけ何もしないのまずいでしょ」
「打算的な奴だな。他の食材のとこ行けよ」
「他の人だとキャラ作らないとダメなんで」
なんでだよ、俺の前でもキャラ作れよ。
「すごくキラキラしてる人たちばかりなんで、ちょっと気後れするんですよね」
「まるで俺がキラキラしてないみたいに」
「初対面で股間見せつけてきた人が、キラキラしてると思います?」
「あれはこの島の悪ガキのせいなの。大体一国を率いる王女なら、珍◯の一つや二つ見ても立派な剣をお持ちですね、くらいのユーモアで返せんのか」
「最低、ほんとあなたリガルドの王子なんですか?」
「正真正銘本物。ってか、君もよく俺を恐れないな。初対面の人とかほぼビビり倒すぞ」
「第一や第二の王子だったらビビり倒しますけど、第三だとほぼ王位継承権ないでしょ?」
「まぁまぁなくはないのレベルだな」
「トリスタンも同じで、第一以外の王族ってそこまで重要視されないんですよ。特にウチは姉さんがめちゃくちゃ優秀なので、私の存在すら知らない人が多いですし」
確かに、俺もソニアに妹がいるとは知らなかったしな。
「姉コンプなのか?」
「いえ、コンプレックスってある程度近しいレベルじゃないと起きない感情ですし。剣術、魔術、歌唱力、演技力、トリスタンの文化にも造詣が深くて、あの美貌です。到底、あたしは姉さんと争えるレベルじゃないので」
「そうか?」
俺は彼女に向き直って、顔を覗き込む。
艶のある黒髪のミディアムヘア、日の光を反射して青金に輝く瞳、血色の良い薄桃色の唇。出るトコちゃんと出ているボディを濃紺のジャケットと白のブラウスに包み、首には赤のリボン。王族とは思えないスカートの短さはとても良い。
「君も綺麗な顔してると思うけどな」
ロゼは一瞬目を見開く。そして恥ずかしそうに俯く。
「…………あの、すみません。あたしリガルド王子のハーレムに入るとか死んでも無理なので、ごめんなさい」
「誰もお前なんか口説いとらんわ」
なんもしてないのにフラれたわ。
失礼な奴だと思いながら、ザビーナの店へと到着。
大量のフルーツが並ぶ屋台の中で、日焼けしたおばちゃんが俺に気づく。
「あらデブちん王子、どうしたんだい?」
「グレートムカムフルーツが欲しいんだ」
そう言うとザビーナは顎に手を当てて考える。
「グレートムカム……今年はとれてないねぇ」
「そのフルーツって、どこでとれるんですか?」
「他のムカムフルーツと同じで、ムカムヤシの上だよ。あれを見な」
ザビーナが指さした先には、高さ20メートル程のムカムヤシがビーチ沿いに並び立つ。針葉樹で葉っぱはてっぺん部分にしかなく、その葉の下に丸々としたムカムフルーツがなっている。
「あの中に、金色に輝くムカムフルーツがあるんだ。それこそがグレートムカムさ」
「なるほど。見つけてとってもいいのかな?」
「あれば構わないよ。あたしらも久々にグレートムカムを見てみたいしね」
ザビーナから、海側の木は潮の影響でグレートムカムができにくいらしく、内側の木を探すことをおすすめされた。
◇
「というわけで、やってまいりました。ムカムヤシ林」
ムカム島のあまり手がつけられていない中央森林地帯。
ここには大量のムカムヤシがなっているものの、道路舗装がされておらず馬車が入れない為、フルーツ業者もあまりこない。
ここならばと思い、大量に並ぶムカムヤシを見やる。
ロゼは俺と同じく背の高い木を見上げた後、こちらに視線を投げる。
「それで、どうやって探すんですか?」
「登ってだよ」
「えっ、マジっすか?」
「マジだよ。フルーツが葉っぱの下に隠れちゃってるからね。一本一本登って葉っぱをどけて確認しないと」
ロゼは、「おま、マジか? 何本あると思ってるんだ」と言いたげに、口を半開きにする。
「というわけだ、登ってきてくれ」
「えっ、あたしがですか?」
「君の姉の料理の為だろ」
「それはそうなんですけど、めちゃくちゃ高いじゃないですか。大体あなたは何するんですか?」
「俺は君がとったグレートムカムを下で受け止める。フルーツ持ったまま木を降りられないだろ?」
「あたし、そっちの役がいいんですけど」
「25メートル上から降ってくる、硬い殻のフルーツ受け止められるのか?」
「いや、ん~……」
「ほら、早く早く」
「あたしこれでも王女なんだけどなぁ」
ぼやきつつも、ロゼはゆっくりとムカムヤシを登っていく。木の肌が結構ゴツゴツしているので、登るのは比較的楽なのか、あっという間に登りきって葉っぱの下になるムカムフルーツを確認する。
「ハズレでーす。全部黄色ですね」
「よーし、じゃあ降りてきてくれ」
「気軽に言ってくれますよね」
俺はイラッとしている彼女を眺める。スカートで木登りしているので、下からだと実に絶景。
ロゼはスカート覗かれてるなと気付き、白い目で俺を見下ろす。
「そのやらしい目やめてもらえます? あたし水着履いてるので、下着じゃないですよ」
「水着でも構わん、スカートの下から見えるというのがエロい」
そう言うと、空からムカムフルーツが弾丸みたいな速度で降ってきた。
「お前狙ったな!」
「たまたま落ちただけですよ」
それから俺達は、時間をかけながら一本ずつヤシの木を探していく。
――2時間が経過
ヤシの木の前で、ロゼはぐったりと座り込んで天を仰いでいた。
「もう無理です、手が痛いし足も擦りむいたし。これ以上やったら木から落ちます」
「2時間くらいで根性のない」
「あなたは下からスカート眺めてるだけじゃないですか!」
「しょうがないな、交代してやるよ」
「お願いします」
俺は脚部にカロリーを溜めると、ピョーンとてっぺんまで飛び上がり、空中でグレートムカムがあるかを確認する。
「ないな」
木のてっぺんに飛びつくと、更に木から木へとジャンプで飛び移って確認していく。
30本くらい確認が終わった後、地面にスタッと降り立つ。
「このへんはない、移動しよう」
「いやいやそんなジャンプ出来るなら、初めからやってもらえます!? さっきまでのあたしが登ったり降りたりするの、どういう感情で眺めてたんですか!?」
「どうって……頑張ってるなって」
「あたしこの人嫌い!!」
コメント
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「あたしこの人嫌い!!」って最後の叫び、めっちゃツボでした(笑) ロゼの「姉さんと争えるレベルじゃない」って台詞、さらっと言ってるけど結構グッと来ましたね。ああいう自己評価の描写って、キャラの内面をちゃんと見せてくれるから好きです。 それと、王子が「君も綺麗な顔してる」って言った直後にフラれる流れ、ギャグと人情のバランスが絶妙でした。食材集めパートのテンポも良くて、次どうなるか気になります!