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……ん。これで石の欠片は全部集まったかな?
砕けた天狗石は全部、お宮にお返ししなきゃいけないからね。
はい、これで最後だね……。
ありがとねミーちゃん、ママのお手伝いしてくれて。
ミーちゃんは本当にいい子だよね。
――あ、もしもし?
レイジ、兄さん?
……うん、私。……カリン。
わざわざ御祈祷の予約入れてくれてたのに、すっぽかす形になっちゃってごめんね。
……うん。実を言うと――、ついさっきまで悪いお化けに誑かされて、すっかり術中にはめられちゃってたんだよね。お陰で私もミトも危ないところだったの。アハハハハ……。
そ、そうだね。ごめん。全然笑い事じゃないや。
本当にごめんなさい……。
ん。ちょっと待って。今、立ち上がるから……。
あ、ダメだ。全然動けない。これはちょっーとヤバい、かも……。
……兄さん。迎えに来てくれるの?
……うん、助かる。ミトも一緒だし、このままじゃちょっとね。
あ、それとこのことはウチの旦那にはナイショね?
……彼ってああ見えて気が弱いから。
ミトのことで実家に相談してくるって話をした次に日に二人ともこんな目に遭ったって聞いたら――、心臓止まっちゃうかかもだからさ。
うん。だからね、私達、まだ夢ノ宮にいるの。
正確に言えば、駅裏の雑居ビルの中。……あー、見事なぐらいの幽霊ビルだねぇこれは。
……それにしても――。
私、お稚児様に対してずいぶんと酷い態度を取ってたんだなぁって思って。
小さい頃の図鑑の取り合いなんて子供同士の喧嘩と変わらないし。父さんと母さんが亡くなった時だって、守ってもらってなきゃ二人だけじゃなく、一家全滅してたもんね。
もし、そうなったらこうやってミトだって生まれてなかったわけで……。
いや、分かってるんだよ。
自分が八つ当たりして、事実から逃げ続けてきたことは。
だけど、今回はそれだけじゃなくて……。
私達親子は祟られてる、なんて本気で思いこんじゃって。
ミトの天狗石のことも、まるで穢れた呪物呼ばわりしちゃって。
お化けに記憶を弄ばれて、認識が反転して混乱していたから仕方がない部分はあるけどさ。
お稚児様は側から離れた私をずっと気にかけくれてたのに。そんな人相手に真剣に怖がったり、嫌ったりするなんて――、自分で自分が情けないよ。
こんな私のこと、さすがにお稚児様も呆れてるよね?
……そんなことない?
人間が好こうが嫌おうが、お稚児様は態度を変えたりしないぃ、ただ縁を結んだものを最後の最後まで守り抜く?
……どうして、そうはっきり言えるの?
兄さんが宮司だから?
……え?
……お稚児様は神様だから?
アハハハ。そう来たか……。
ま、そりゃそうだよね。娘一人育てるのに四苦八苦している人間が神様に太刀打ちできるわけないか。
……うん。
泣いてないよ別に。……ほ、本当だって。
そんなことより――、兄さん早く迎えに来てよ。
やっぱり、ここ……今にも何か出て来そうで薄気味が悪いわぁ。
わかってるって。
そういう時こそ、あの唱え事をしなさいって言うんでしょ?
……イチイチ教えてもらわなくても、覚えてるよ。
ていうか、耳ダコだってば。
ん。じゃあ、唱え事させてもらうね……。
オン アロマヤ テング スマンキ ソワカ。
オン ヒラヒラ ケン ヒラケンノウ ソワカ。