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由天。
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49話 1900スポット ウイング小学校 理科室 水にほどける授業
1900スポット。
ウイング小学校。
理科室。
机は低く、
角が丸い。
床は少し冷たい。
リカは、
短い前髪。
動きやすい服。
袖を肘まで上げている。
先生は、
細身。
声は低め。
指先がよく動く。
黒板。
「効果石と関数石以外にも石があります。」
化学石。
化学繊維石。
化学物質。
矢印でつながれ、
教科書と同じ図。
文字は多いが、
説明は少ない。
「いろいろな石から、
生活のものができている」
誰も驚かない。
実験。
透明な容器。
水。
小さな化学繊維石。
入れる。
待つ。
水の中で、
石が崩れる。
ゆっくり、
細い繊維が現れる。
リカは、
息を止めて見ている。
切れない。
引くと戻る。
次の工程。
染め。
容器が並ぶ。
植物性、三。
化学性、七。
数字で呼ばれる液。
混ぜる。
沈める。
引き上げる。
繊維は、
少しだけ重くなる。
手に残る感触。
「思ったより、
簡単」
声が重なる。
先生は、
うなずく。
「生活用だから」
「安全だから」
黒板に、
小さく丸がつく。
チャイム。
繊維は、
紙袋に入れられる。
名前は書かない。
番号も書かない。
リカは、
袋を持つ。
水に溶け、
形になり、
色を持ったもの。
理科は、
家に持ち帰れる大きさだった。
それだけで、
十分だった。