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~サイコロの部屋~
ロビンはサイコロをベッドへ寝かせて、自分の部屋に帰ろうとしていた。
「ロビンくん。さっきのはどういうことなの?」
驚いて振り向くロビン。さっきまで寝ていたはずのサイコロが起き上がっていた。ロビンはこう返す。
「これだけは信じてくれ。俺は所長に君を連れてくるようにだけ言われていたんだ。まさかあんなことになるなんて思ってなかった。」
「僕は失敗作で、レイくんのための実験台だということは知ってたの?」
「あぁ、それは知ってたよ。君に内緒にしていたんだ。すまない。」
「そっか…」
サイコロはこう続ける。
「なんで僕は生きてるの?レイくんは無事?」
ロビンは先程起きたことをサイコロに話した。悲しみが滲む表情で話を聞いていたサイコロだったが、ロビンの話が終わると笑顔でこう返した。
「つまり、ロビンくんが僕のことを助けてくれたんだね。ありがとう。」
「感謝される筋合いは僕にはない。それに、これからはこれまでと同じように君と接することができなくなると思う。」
「そっか… 残念だけど、仕方ないよね。」
サイコロはこう続ける。
「一人にさせて欲しいんだ。ロビンくんも早く帰って休みなよ。」
「俺は君になにをしてあげれば
「早く一人にさせてよ!!!どうせ僕は君にとっても研究材料なんだろ?!!!」
ロビンの言葉を遮り、サイコロが叫ぶ。ロビンは下を向き、こう答える。
「ごめん。でもこれだけは覚えといて。俺は君のことを大切に思ってる。研究材料だなんて思ってないよ。それに俺は君の…
いや、もう帰るよ。おやすみ。」
ロビンが部屋を出て、一人になったサイコロは目に涙を浮かべながら呟いた。
「僕は最低だ。ロビンくんに当たってしまった。僕を助けてくれたのに。でも、やっぱり辛いよ。
僕はこれからどう生きればいいの? 」