朝。校内は文化祭の準備で活気に満ちていた。色とりどりの装飾、ステージから聞こえる音響チェックの音、焼きそばの香りが漂い、まさにお祭りムード全開だ。
萌香は教室の隅で髪をまとめながらため息をついた。
「いさな、またやらかしてるじゃん……。」
みりんは余裕たっぷりの笑みを浮かべ、スマホを片手にいさなにLINEを送り続けていた。
「このタイミングで寝坊とか、さすがいさなクオリティ。笑えるわ。」
萌香:「笑えないよ!いさなが持ってる小道具がないとステージ準備が進まないんだけど!」
みりん:「まぁまぁ、落ち着いて。ほら、今きっと猛ダッシュしてる頃だから。いさなのことだから、途中で転んでるかもね?」
萌香は半分泣きそうな顔で腕を組み、時計を見つめた。
「あと10分で開場だよ!?どうすんの!?」
その時、教室の扉が勢いよく開いた。
「ハァ……ハァ……間に合った!!!」
ゼーゼー息を切らしながら、いさなが飛び込んできた。寝癖が頭のあちこちに立ち上がり、制服のネクタイもゆがんでいる。片手には紙袋、もう片手には…なぜかコンビニのおにぎり。
みりん:「なんでそんな余裕持ちながら食べてんの!?っていうか遅い!」
いさな:「いやー、起きたら8時でさ。でもコンビニで萌香が好きなジュース買ってきたよ!感謝して?」
萌香:「感謝される前に準備してよー!!!」
いさなは笑いながら袋を置き、持ち込んだ小道具を取り出した。みりんは腕を組んで皮肉っぽく言った。
「ほらね?遅れても結局なんとかなるのが、いさなの強みってやつ。」
いさな:「でしょ?俺、ギリギリが似合う男だから。」
萌香:「そんなキャッチフレーズいらない!!」
3人がバタバタと準備を進める中、教室の外では文化祭の開幕を知らせる音楽が鳴り響く。今日がどうなるか、誰にも予想できない一日が始まった。
いさな:「よっしゃ、これで完璧だな!俺たちの出番、見せつけてやろうぜ!」
みりん:「頼むから、もう遅刻だけは勘弁してよね。」
いさな:「うーん、考えとく。」
そう言いながら、いさなは爽やかな笑みを浮かべ、手をひらりと振った。
文化祭は、まさに彼ららしいスタートを切ったのだった。
コメント
4件
いさなクオリティは笑う
萌香が好きなジュース買ってきて感謝して?って言われてもは?ってなるぞ(