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「…………ま? 理麻……」
腕が揺さぶられている感覚に、私はゆっくりと瞼を開いていくと、見慣れない天井が瞳に映る。
「ん…………ん? え……!?」
「すっかり寝落ちしてたな」
キリッとした恵斗くんの目元が弧を描き、全裸のままの私は、慌ててデュべを引き寄せる。
Tシャツとスウェット姿の彼に眼差しを向けられ、恥ずかしくなって恵斗くんから背(そむ)けた。
「だって…………セックスであんなに気持ち良かったの……初めて……だったし……」
「…………そうか」
彼は私の言葉に気を良くしたのか、はにかむような表情を浮かべる。
我を忘れるほど快楽に溺れたセックスは、恵斗くんだけ。
けれど、彼に抱かれるのは、きっとこれが最初で最後なのかもしれない。
そう考えると、私の中に寂しさと虚しさが、ジワジワと込み上げてきた。
「なぁ……。理麻が嫌じゃなかったら…………また会えないか?」
思いがけない恵斗くんの言葉に、私は、ハッとする。
彼からそう言われて、素直に嬉しい。
高校生の時の私は、密かに恵斗くんに恋心を抱いていたのだから。
「あ……その……何ていうかさ、理麻が嫌だったら、別にいいんだ。変な事を言って、ゴメン」
黙ったまま、ぐるぐると考え事をしている私を見た彼は、拒まれたと思ったらしい。
「いっ……嫌じゃないよ。恵斗くんに、また会えないかって言われて、驚いたし……それに……」
「それに……?」
恵斗くんに顔を覗き込まれ、ニヤッと笑みを映し出され、私は顔が火照ってしまう。
「うれ……し……いっ……」
「…………良かった……」
私の返事を聞いた彼が、ホッとしたように表情を緩める。
「ひとまず、身体が冷えるから、服を着て」
「うん。ありがとう」
恵斗くんに、服と下着を手渡された私は、彼に背を向けて身支度を整えた。
コメント
1件
ああ、第10話、読ませていただきました……! 恵斗くんから「また会えないか?」って切り出したシーン、すごく好きです。あの一瞬の間、理麻さんがぐるぐる考えてる様子が目に浮かんで、その後に出た「うれ……し……いっ……」がもう本当に可愛くて、胸がぎゅっとなりました。初めてで気持ちよかったのに「これが最後かも」って寂しさを感じるところも、リアルな揺れ動きですよね。2人の距離が縮まる気配に、続きが気になります!
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