「おい!何すんだよ!!」
「それは俺悪くなくない…??」
ゆるギャンの全員が完全復活し、犯罪を楽しんでいた。
冬のくせに快晴で、あまりの暑さにアジトの中に入ると二人の影が見えた。
「ぺいんと?」
「らっだぁ!聞いてよっ、ふわっちが」
「いや、別にそれ俺の…」
泣きながら「みて!」と足元をぺいんとが指差す。何だろうか、足元を見ると壺の破片が撒き散らされていた。
「んー…どうしたの?」
「ふわっちが俺の壺踏んで割ったの!」
「わざとじゃないんだ…ごめん」
「やだ!!」
(不破っちは謝ってるけど……)
不破っちは申し訳なさそうにしている。しかし、ぺいんとが何故かずっとキレ散らかしていて、どうにもできない。
どうしようか、とりあえず壺の破片をゴミ箱に捨てる。何かぐちつぼ捨ててるみたい
「ぺいんと、不破っちは謝ってるよ」
「う、ぅ……」
「え何で泣くの」
悔しいのだろうか、何故か泣いてしまった。どうにかしてあやさないと。
そう思っていると、アジトの玄関から足音が聞こえた。
「ローレン~~!!」
「え、何どうした??…あれ、壺割れてんじゃん」
「ローレンさん!ふわっちが壺割った!!」
「この壺って…たしか」
「ふわっちがつくってくれだのに゛ッ」
喉がガラガラな声で衝撃の事実をぺいんとに言われた__これって不破っちが作ったの!?すごくね!?
「あのエビの壺気に入ってたもんな」
「うぅっ…大事にしてたのにっ!」
「ご、ごめんねぺんちゃん…」
あ、これってエビなんだ。もう粉砕されてたからわからなかった。
つまりは、不破っちが壺を作って、それをぺいんとにあげて、だけど不破っちが踏んじゃって……、ということか。
「ぺんちゃぁぁん…ごめぇん…」
「……いいよ、俺こそごめん…!!」
「ぺんちゃん!ありがとう!」
「おう!!」
二人がいつの間にか仲直りして、お父さんのように微笑ましく思う。
しかし、それにしても今日は暑い。
(ん、ここにアイスあるじゃん)
そこにはソーダ味のアイスバーがあった。とにかく何故か暑いので、食べたくなってしまった。
待て、だけどこれ誰かのか…?無線で聞いといた方がいいな。
『えーと、アジトにあるソーダ味のアイスバーって誰の?』
『あ、それ俺の。』
聞くと、しすのだったらしい。
それにしても圧がすごいんだけど、
『食べちゃだめー?しすー』
『ダメだよ、俺の楽しみなんだから』
『え、ごめん!俺食べちゃった』
(あっ)
何と、不破っちが食べてしまっていたらしい。そうすると、無線越しでもわかるような圧を感じた。
『アッ、ごめんしすこさん、いや、えーと』
『ふわっちぃ~~??アジトいてね!』
「不破っち……」
死んだな、と思い頭を抱える。
いやまぁ、自分のアイス食われたらイライラはするだろうけど。しかし今日はとても暑いのだ。キレ散らかすだろうな。
「ふわっちー?どこかなぁ?あはっ」
「あいつ狂ってる!!」
「ご、ごめぇんしすこさぁん……」
(どうしようかなぁ )
今にも不破っちがお亡くなりになりそうだけれど、どうすることもできないし。
だれかヒーローでも来ないと警察案件になってしまうかもしれない。
「いやぁぁぁっ!!銃!!構えないで!」
「じゃあ今すぐアイス出して??」
「しすこさぁん…!」
もうどうしようもない、そう思った。
「うぃーす、今日暑いね~。みんなアイスバーいるー?」
「!!!」
「あ、ぐちつぼ。しすにアイスバーあげて」
「ん?いいよー」
「助かったぁ…」
この有能が。まぁ助かったからよし。
そうして、この後暑いのにも関わらずメンバー全員が集合し、みんなでアイスバーを食べて雑談をした。
こんな日も悪くないかな、と思ったボスなのであった。
コメント
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ふわっちよかったね