「堂本さんはお料理とかされるんですか?」
不意に投げかけられた質問に、私は正直に答えを返した。
「あ、んまり……しないけど……?」
その馬鹿正直さを責めるように、水戸と奥村にはテーブルの下で足を蹴られたのだが、文句を言う間すら与えられずに、質問を寄越した女性は、わざとらしい驚きを乗せて声を上げた。
「ええっ、そうなんですかぁー?」
いくら鈍感な私でも、その声調に篭められた嫌味に気づかなかったと言うのは嘘になるだろう。
息を詰める、ほんの刹那、賑やかな貸切会場の中にあって、この一角だけは、しん、と静まり返ったように感じていた。
「……、っ」
詰めていた息を呑み込み、ゆっくりと肺で酸素を吸う。
膨らんだ胸の勢いを借りるように、努めて平静に一音めを置いた。
「……ええ。料理は、あまり得意じゃないの」
滑り出したら********
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