テラーノベル
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調べている間に辺りはすっかり暗くなっていた。
灯りとしてあるのは、電灯とスマホ、家からこぼれている光のみ。
目がまた悪くなりそうだなと考えつつ、調べ続けてみる。
やっぱりないかもな〜と思っていると、元気な声が聞こえてきた。
「さらくーん!やっほー」
「……元気いいね〜…」
声が聞こえた方を見ると、軽く走っている澪夜がいた。
よく場所がわかったな…
「さらくんっていつもここにいるイメージあるからね!」
声に出ていたのか、そう澪夜は答えた。
久しぶりに会った澪夜は、ボブぐらいに髪を伸ばしていた。
高校の時は、すっごく短かったのに…。
でも、結構似合っているなど思った。
そんな澪夜を横に僕は、まだ調べていた。
スマホの時計を見ると、18時06分。
暗いから行くとしても明日だろうな…。
そう考えていると一つのHPが目に入った。
『Devil’s Temptationーデビテンー 公式ホームページ』
Devil……悪魔だったはず…。
だが、そのあとがよく分からない。
英語が苦手なのが、目立つな……。
「さらくん、ここ気になるの?」
そう澪夜に言われ、ハッとする。
いつの間にか、そのデビテン?のHPを開いてしまっていた。
無意識って怖いな…改めてそう実感した。
まぁ実際、気になったのは本当だ。
しかし、男性客は行けるのか不安ではある。
なので、HPに記載されている電話番号に電話をしてみる。
『Hello。こちらDevil’s Temptation、略してデビテンでーす。』
「もしもし、あのHPを見たんですけど…」
『oh、𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮!』
キャラが濃い人だな…。
従業員の方だろうか。
それにしても英語の発音とか綺麗だな……。
「その、えっと…ここって男性客とか大丈夫ですか…?」
『? 別に大丈夫だぜ!!つーか来てくれる自体嬉しいからな!』
とりあえず行けそうみたいで安心する。
「ありがとうございます。」
『いいぜ〜。いつでも来てな!あ、営業時間は1時までな!!じゃあな!』
そんなことでこの電話は終わった。
電話に出た人は、澪夜とはまた違う元気さで、少しいいなと感じてしまった。
「とりあえず、今日はもう遅いし、また明日にでも行こっか。」
「えー?今すぐ行ってもいいけど…まぁしょうがないか。」
少し不満ありげな感じだったが、明日あるということで、いったん僕らは解散することにした。
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