テラーノベル
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学園の再建費用8000億円をわずか一週間で稼ぎ切った断罪院憐と贄田羊。しかし、二人の「愛のエネルギー」は、もはや地球のサーバーでは処理しきれないレベルに達していた。
「……大変よ、贄田くん! 私たちの愛が……太陽系の重力バランスを狂わせているわ!」
憐が叫ぶ。彼女が羊の肩に頭を乗せるたびに、地球の自転が\(0.5\)秒早まり、異常気象が発生。二人が見つめ合えば、その熱量で北極の氷が溶け出し、スパチャの金額はジンバブエの国家予算を超えた。
そこに、空から巨大な黄金の宇宙船が降臨する。
現れたのは、銀河風紀連盟の執行官。
「……地球人よ。貴様らの『イチャイチャ』は、宇宙の静寂を乱す騒音(ノイズ)だ。全銀河校則・第\(1\\text{億}8\\text{千万}\)条に基づき、地球を『恋愛禁止区域』として隔離、または消去する」
「地球が消去……? そんなことになったら、私たちの『結婚式会場(予約済み)』はどうなるのよッ!!」
憐がブチ切れた。
彼女は羊の手を握りしめると、崩壊した学園の地下から眠っていた最終決戦兵器を呼び出した。
「行くわよ、贄田くん! 起動コードは……**『愛してる』**よ!」
「……え、今なんて?」
「恥ずかしいから二度言わせないで! さっさと叫びなさい!」
二人が操縦席で同時に叫ぶ。
「「愛してるぅぅぅぅぅ!!」」
その瞬間、学園校舎そのものが巨大なロボットへと変形。
右腕は「巨大な婚約指輪」、左腕は「破られた看板」の形をした盾。
動力源は、二人の心拍数から生成される無限の「不純エネルギー」だ。
「喰らいなさい! これが私たちの、披露宴の余興よ!!」
憐が操縦レバーを力いっぱい押し込む。
ロボットの胸部から放たれた極太のピンク色レーザーが、銀河執行官の宇宙船を直撃した。
「……バ、バカな……! これほどの不純な熱量……計算にない……! 愛とは……こんなにも理不尽なものなのかぁぁっ!」
宇宙船は爆発……するかと思いきや、その光を浴びたエイリアンたちは、次々と隣にいる仲間と恋に落ち、銀河全体がピンク色の幸福感に包まれていった。
全宇宙から届く「いいね!」の数は、ついに無量大数に達した。
「……ふぅ。これでようやく、静かに式が挙げられるわね」
宇宙の塵となった看板の破片が星屑のように降り注ぐ中、憐は羊の胸の中でようやく安らかな息をついた。
「先輩、もう看板を壊す相手、宇宙にもいなくなっちゃいましたね」
「いいえ、まだいるわ。……貴様よ、贄田羊。貴様が私を飽きさせるようなことがあれば……次は貴様の心臓を、物理的に『再教育』してあげるから」
憐はそう言って、悪戯っぽく微笑んだ。
その笑顔があまりにも可愛すぎて、背後で再び学園の校舎(再建中)が爆発した。
恋愛禁止学園の物語は、ここでおしまい。
しかし、二人の恋の爆発は、今日も新しい銀河を作り続けているという――。
(完)
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