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そしてあれから数週間が経ち、あっという間に私の誕生日が来た。

今日はいつもよりとびっきり華やかでかわいいドレスを着せられた。

そして今、兄や使用人たちに囲まれ、目の前にはいつもより豪華な食事が並んでいる。

「リリー、誕生日おめでとう」

「おめでとうございます」

「あ、ありがとうございます」

私は彼らに笑顔を向けた。

いや、毎年こんな感じなのだが、年々服装も食事も、あとからもらうプレゼントも豪華になっているような……。

と、リエルが私に微笑む。

「さぁ、温かいうちにお召し上がりくださいな。食後にケーキもありますからね」

「ああそうだな。リリー、食べよう」

兄が頷いた。

「は、はい。では」

手を合わせ、兄と私は食べ始める。

そして食事を済まし、部屋に戻って本を読んでいるときだった。

「お嬢様。お客様ですが、お通ししますか?」

私はリエルの声に目を見開く。

彼だろうか。今日は来る予定ではなかったはずだが……。

「え、ええ。お通しして」

「承知いたしました」

リエルが部屋を出ると、やはり彼が入ってきた。

私は本を閉じ、彼に一礼する。

「ルウィルク様、ご機嫌麗しゅう。今日は来られる予定ではなかったのに、どうされたのですか?」

「誕生日プレゼントを渡したくて来たんだ」

……ああ、そういえば今日誕生日だったな。

彼は私の前に手を差し出した。

すると、彼の手に、ボンッと手の平サイズの箱が出てくる。

「そんな大したものでもないんだが……、受け取ってくれ」

「は、はい」

私は彼の手の平に乗せられた箱を取り、蓋をゆっくりと開けた。

すると中から出てきたのは……。

「まあ、これは……」

細長い紐状のリボンだった。

紐状と言っても、学校の制服にあるようなものではなく、サテンリボン。

色は淡い撫子色だ。

無地ではあるけれど、上質な素材でできていることはわかった。

それに何よりも……。

「かわいい……」

そう、かわいいのだ。無地であることで、色の良さが引き立っていた。むしろこれは無駄に柄を入れない方がいい。

私の胸が、ほわーんっと温かくなる。

「ルウィルク様、ありがとうございます」

私はリボンを箱ごと胸に抱き、彼に心からの笑みを浮かべた。

「別にそれほどでもない。ああ、それと言い忘れてたんだが、それは一応髪飾り用だ」

彼は何でもなさそうに言う。

これまでも誕生日プレゼントをくれていたけれど、装身具は初めてだな……。

私は箱を机に置き、リボンを手に取った。

そして、纏めている髪の毛の上で結ぶ。

彼は目を見開いた。

「似合ってますか?」

私は微笑む。

すると彼は頷いた。

「ああ、とても」

その言葉に、私ははにかむ。

私は喜びを噛み締めていると、彼は口を開いた。

「ああそれと、頼みがあるんだが」

「頼み?」

何でしょう?と続ける私に、彼は言う。

「三日後にデビュタントがあるだろ?そのエスコートをさせてほしい」

いつにもまして彼の真剣な表情に、私は目を見開いた。

そう、三日後に私のデビュタントがあるのである。

ちょうど決まっていなかったし、全然いい……、というか、むしろ嬉しい。

「は、はい。全然構いませんが……」

私が頷くと、彼の表情が緩んだ。

「ありがとう」

彼は少し嬉しそうに、安心したようにそう言った。

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