「……――――」
呼吸が、正しいリズムを忘れる。
心臓が、正しい収まりを忘れる。
唐突に繰り出された椎名からの告白に驚いているのに、頭の中で、こうなることをわかっていた気もする。
だからこそ、正しい反応を返すことができず、ただ身体を硬直させたまま椎名を見上げる。
重なった双眸が、甘さを僅かに潜めて、困ったような苦笑を引き出す。
張り詰めた空気が、揺らいだ。
「すみません。……水戸さんは、もう気づいていたと思うんですけど……やっぱり、言いたくて。……すみません」
尻窄みに畳まれていく声量が、二度、謝罪の言葉を紡いだ。
本題に添える緩衝と言ってしまうには、あまりに感情が乗っていた。
「椎、名さ……」
「――今じゃなくていいので」
喘ぐように呼んだ彼の名前を遮るように、椎名が言った。
「……今すぐじゃなくて、いいので。そ***********************
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