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#【推しの子】
#SAKAMOTODAYS
おとうふ 紹介文読んで🙇
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りな
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「——『C小町という奇跡の裏側を、一切の嘘偽りなく撮りたい』」
武道館公演から数か月。ツアーの準備と並行して動き出したのは、ある有名ドキュメンタリー映画監督による**『C小町・密着ドキュメンタリー映画』**の制作だった。
監督から提示されたコンセプトは、単なるアイドルの成功ストーリーではない。
『美裕の性別と前世(過去)の真実、灯と沙也加の葛藤、そしてあの武道館での刺傷事件と神城玲奈の脱退——光と影のすべてを晒すこと』。
「断ってもいいのよ、美裕」
応接室で黒岩Pが禁煙の部屋で未点火の煙草を弄りながら言う。
「あんたの左肩の傷も、玲奈のことも、世間から見ればまだ生々しいスキャンダルだわ。わざわざカメラの前で穿り返す必要はない」
「……いいえ、撮ってください」
私は即答した。隣で康弘が苦笑いし、灯と沙也加が力強く頷く。
「隠すことなんて何もないです。私たちが泥を呑んで、血を流して、それでも三人でステージに立ち続けている理由を……全部スクリーンに遺したいんです」
こうして、私たちの日常にカメラが密着する日々が始まった。
**【カメラの向こうの『素顔』】**
撮影は、飾らない私たちの日常を容赦なく切り取っていく。
鏡の前で衣装を脱ぎ、左肩に残る生々しいナイフの傷痕にコンシーラーを塗る私。
その姿をカメラが至近距離で捉える。
『——美裕さん。その傷を見るたび、恐怖や後悔はありませんか?』
カメラの横から監督の声が飛ぶ。
私は鏡越しにレンズを見つめ、静かに、けれど迷いなく答えた。
「後悔はありません。この傷は……私がアイドルとして生き抜いた証であり、玲奈ちゃんという一人の少女の痛みを私が受け止めた証だから。逃げなかった自分を誇りに思っています」
別の日には、沙也加と灯への単独インタビューも撮影された。
『——玲奈さんの事件があった時、グループを辞めようとは思わなかったのですか?』
沙也加はカメラに向かって、涙を浮かべながらもハッキリと言い放った。
「思わないです! 美裕ちゃんが血を流しながら私たちを守ってくれたのに、私たちが逃げるわけないじゃないですか! 私は……C小町の向井沙也加として、美裕ちゃんと灯ちゃんと一緒にテッペンを取るって決めたんです!」
灯は腕を組み、冷徹なまでに美しい瞳でカメラを射抜いた。
「玲奈の狂気も、世間の悪意も、全部呑み込んだから今のC小町があるの。綺麗なだけのアイドルなんて、今の私たちには退屈すぎるわよ」
三者三様の言葉。だが、そこに宿る熱量は完全に一つだった。
**【完成披露試写会:劇場にて】**
映画『C小町 ——光の傷痕——』の試写会当日。
超満員の試写会場には、B小町の星野ルビー、有馬かな、MEMちょの姿もあった。さらには星野アクア、黒川あかねちゃん、映画監督や神楽坂先生まで……これまで私たちが関わってきたすべての「原作キャラ」や関係者が集まっていた。
上映が始まり、劇場が暗転する。
スクリーンに映し出されたのは、キラキラとしたアイドルの光の裏にある、ドロドロとした葛藤、汗、血、そして私たちの叫びだった。
トランスジェンダーとして苦悩していた頃の私の写真。
地下の闇に呑まれていく玲奈ちゃんの映像。
武道館でのあの衝撃的な瞬間の舞台裏。
そして——三人体制に戻り、泥の中から立ち上がる私たちの姿。
上映が終わった瞬間。
静まり返っていた劇場から、誰からともなく拍手が湧き上がり、やがてそれは割れんばかりのスタンプオーディション(大歓声)へと変わった。
客席で観ていた有馬かなさんが、目元を赤くしながら悔しそうに吐き捨てるのが見えた。
「……何よこれ。アイドル映画のくせに、一本の壮絶な人間ドラマじゃない……!」
星野ルビーが涙をボロボロとこぼしながら、私に駆け寄ってきて強く抱きついてきた。
「美裕ちゃん……! すごい……すごすぎるよ! 私、C小町がもっともっと好きになっちゃった……!」
少し離れた場所で、黒川あかねちゃんが静かに微笑みながら私に頷き、星野アクアが「……完璧なドキュメンタリーだな」とボソッと呟くのが聞こえた。
スクリーンに刻まれた、私たちのすべて。
男として生まれ、前世の無念を抱え、トランスジェンダーとして生き、仲間とともに血を流して勝ち取ったこの輝き。
「美裕、最高の映画になったわね」
灯が肩を並べて言った。
「はい! これで世界中の人が、私たちのファンになっちゃいますね!」
沙也加が誇らしげに胸を張る。
「うん……!」
私はスクリーンの余韻に浸りながら、左肩の傷痕にそっと手を当てた。
私たちはもう、何にも怯えない。
過去も、傷も、狂気も、全部抱えて——C小町はここから、誰も到達したことのない最高の歴史を創り上げていく。
スクリーンに映る自分たちの笑顔に向かって、私は心の中で静かに誓った。
コメント
1件
いやあもう、このエピソードは本当に胸に来ましたね。C小町の三人が「隠さない」覚悟を決めて、赤裸々なドキュメンタリーを撮る——その選択が、試写会のあの熱狂と涙に繋がってるのがすごく美しい。特に有馬かなさんが「アイドル映画のくせに壮絶な人間ドラマ」って悔しがるシーン、最高でした。傷も過去も全部抱えて前に進む美裕の言葉に、私も一緒にスクリーンを見てる気持ちになりました。