テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#赤ずきん
聖帝陛下は、冷静にそう告げた。
「教会を統括する俺の騎士として、お前の兄貴には帝国に尽くしてもらうとして、だ」
跪き、次の言葉を待つ。
「お前には神子を務めてもらう」
神子、魔王を滅ぼす勇者。
「神子は上級貴族の中から選ぶもんでもねぇんだけどよ、お前は民どもの前で神子のふりをする役だ」
「勇者様のふり‥?」
神聖帝国の最高権力者は、見下ろしながら言った。
「保険だ、創世神の信託が間違うことはあり得ねえ、教会は絶対だ」
神子の身に何かがあった時の保険。
「陛下は、神子が…」
制するように、聖帝は告げた。
「教会の神性、帝国の権威、お前はそれを疑ったことがあるか?」
「いえ、滅相もございません!」
「この俺に忠誠を誓い、帝国に忠誠を尽くす」
聖騎士団は教会の騎士団、聖帝に忠誠を誓っている。
「創世神に従い、元老院の信託を受けよ」
「はっ!」
目を閉じ、跪く。
「我が父の子よ」
聖帝の声が響く。
生まれながらに英雄であった少年は、教会で暮らしている。
魔王を倒す英雄として。
「ああ、神子よ…」
修道士は言った。
「お祈りはもういいの?」
「元老長がお召し物をとおっしゃっています、祝福を」
「うん」
「我らが父よ、創世神よ」
元老長に呼ばれている。
「ねぇ、俺って英雄なの?」
「お生まれになったその時より」
生まれながらに魔王を倒す運命を追うもの。
少年は剣を鞘に収めた。
「魔王が、この国の人たちを‥」
俺が戦って、魔王を倒さなければならない。
「お怪我などございましたら、なんなりと‥」
「平気だよ」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!