「奈美? 痛いのか?」
「す……少しだけ…………でも大丈夫……」
一旦腰の動きを止め、彼女の頭を撫でた。
この先、無理して進める必要はない。
変な事を言えば、互いに結ばれたいという気持ちがあれば、いつでもセックスができるのだ。
「痛くて辛いんだったら……やめるか?」
奈美が黒い瞳を潤ませながら、首を横に数回振る。
「豪さん…………やめないで……このまま…………続けて……」
「いいのか? 無理しなくていいんだぞ?」
彼女が大きく息を吐き出すと、若干震えている。
「豪さんが私に与える痛み…………全て……受け止めたいから…………続けて……」
豪の瞳を捉えながら、彼女が言い切る。
「奈美……」
豪は、奈美の気持ちを尊重し、緩やかに剛直を挿入させていった。
彼女に言われ、そのまま挿入し続けても、奈美は、まだ痛みを滲ませた表情を映し出している。
白皙の身体は緊張感に包まれているせいか、強張っているようだ。
「奈美。深呼吸して身体の力を抜くんだ」
豪は、彼女の耳朶に囁き、柔肌の首筋に唇を滑らせていく。
彼に言われたように、奈美は『はあぁ……はあぁ……はあぁ……』と大きく呼吸をした。
息遣いが耳元にかかり、煽られながら首筋を舐め上げる。
あと少しで肉竿が全て埋め込まれるというところで、彼は一気に腰を突いた。
「はああぁぁっ」
奈美が艶を含ませた声を上げ、豪は小さな身体を抱きしめた。
「奈美。大丈夫か?」
「大丈夫……で……す……」
鼻先が掠めるほどに顔を近付けると、奈美が苦痛混じりに笑みを見せた。
彼は、堪らず彼女の唇にキスを振る。
剛刀を強く締め上げてくる奈美の中の肉襞に、豪の背中がゾクリと泡立ち、快楽のうねりが襲い掛かってきた。
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