大学で出会ったあの日から、もう十年だ。
その間に、髪型は何度変わったか。
化粧の仕方が変わり、酒の飲み方も変わった。
服装の好みはそのままに、上質なものを選ぶようになった。
そうやって少しずつ変わりゆく彼女を、ずっと隣で見てきた。
特に示し合わせたわけでもないのに、同じ企業を第一志望にしていた。
内定をもらって、研修を終えて、同じ課に配属された。
とんだ腐れ縁だ。
「おう、お疲れ」
休憩室のソファに座る瑞希に声をかけると、呆けた顔した彼女が軽く手を上げた。
「うーい」
「何だ? 腑抜けた面して」
言いながら自販機に小銭を入れる。
ブラックコーヒーを選択して、取り出し口から缶を拾った。
プルタブを開けて、彼女の隣に腰かける。
「腑抜けてないもーん」
声に力がない。背もたれに身体を預けて、だらりと休む彼女**************************
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