第四十話「最後の犯人」
🔪登場:ユリウス、本当の顔
薄暗い地下室。
壁には、これまでの“犯人たち”の断片――
記録、写真、肉片、影、そして音と香りの記憶が、壁の奥に埋め込まれていた。
その中心に立つのは、
ユリウス。
黒髪を無造作に撫でつけ、
焦げ茶のコートの下に真っ白なシャツ。
そのシャツの前面には――
何もない。
感情の染みすら、血の汚れすら。
だが、
瞳だけがすべてを記憶していた。
ツグミ、アリア、クラウス、ミトラ、レオノーラ、シオン、リヒト、ミレイ、ヴィス――
「9人分の狂気」を、ユリウスは見届けてきた。
🔪スケアリーの登場:フルコースを終えた料理人
そして、
闇の向こうから、ヒールの音と共に現れる影。
京麩 小環(スケアリー)。
黒のハイネックシャツに、血で染められたシェフコート。
その瞳は濁りなく――笑っていた。
「ようこそ。最後の料理人へ。
……“最後の犯人”。」
🔪スケアリーの実況「記憶のキャビアと反抗のソース」
「ひひひひひひひひッッ!!!!」
スケアリーが檻の中からスプーンを舐めながら吠える!
「コレだよこれこれこれこれコレ!!!!
9人の犯人の断片をかき集めて作られた、
**“究極の残り物パフェ”!!!!」」
「味がしないのに!!香りだけがクッソ濃い!!!!
しかも“反抗心”っていう激ヤバソースでコーティングされてるッ!!!!」
「ねぇユリウス!!!
あんたの料理、喰わせてよ!!!!
この私に、“恐怖”ってヤツをさ!!!!」
🔪ユリウス、ナイフを構える
ポケットから取り出したのは、
京麩から授けられた観察用ナイフ。
本来は見るための刃――
だが、今は“調理”のための道具。
「スケアリー。
お前に教わった“料理”で、
俺は――お前を調理する。」
その一言で、
空気の密度が変わった。
🔪スケアリーの美食感応「これがスケアリーイズム」発動条件
「ッふふふふふふふ!!!!」
スケアリーが自ら胸元の傷跡を引き裂く。
「ほら、かかってきなよ。
“完全犯罪のレシピ”に書いてあるでしょ?」
《犯人が、観察者を超えた瞬間。
恐怖が、恐怖を凌駕した時。
それを“美味”と呼ぶ。》
🔪ラスト:開戦の一撃
ユリウスが、最初の一歩を踏み出す。
目の奥に宿った“恐怖を愛する瞳”。
そして、
スケアリーが初めて、本能的な笑みを漏らした。
「ようこそ、スケアリーイズムの真芯へ。
……これが――スケアリーイズムだ。」
次回 → 第四十一話「京麩のレシピ」
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