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🔪開幕:スケアリーの厨房
部屋の中央に据えられた調理台。
周囲には**“食材ではなく人間の断片”**が並べられていた。
耳、爪、涙、息、声帯、まばたき、そして――記憶。
その前に立つのはスケアリー。
京麩 小環。
血を吸ったような深紅のロングコートに、
首元だけが真っ白なシャツ。
その胸元にはレシピ帳――“スケアリーイズム”が縫い込まれている。
「さあ、ユリウス。
君を調理するレシピは、“私自身”のレシピでもある。
この料理の材料は――私のすべて。”
🔪ユリウスの反応
ユリウスはゆっくりと歩を進め、
スケアリーのレシピ帳に目を落とす。
そこに書かれていたのは――
> 「犯人の思考を模倣し、
それを超えるために、自分の人格を一度分解せよ。」
「……お前、それをやったのか?」
スケアリーは微笑んだ。
「もちろん。10回もね。」
🔪スケアリーの実況「自己分解ステーキ・脳内熟成仕立て」
「ひょおぉぉぉおおおおおお!!!!!!」
スケアリーが自分の胸元を引き裂きながら、レシピ帳をベリッと破る!
「これがねぇ!!!
**“自己分解熟成肉”ってやつなんだよ!!!!」」
「人格を細切れにして、
感情を脱水して、**恐怖だけで乾燥熟成するの!!!!」
「スケアリーっていう一人の料理人はね!!!
**“他人の犯行”というスパイスで、自分自身を燻製してきたの!!!!」
「だから私の肉は、うまいッ!!!!
**美味の定義は、“自分を一度食った奴だけが語れ”ってこと!!!!」
🔪レシピ:10の工程
壁に映し出されるスケアリーの“自分を殺す手順”――
1. 名前を捨てる
2. 感情を味覚に変える
3. 恐怖を調味料として濾過
4. 筋肉を思考で切り離す
5. 記憶を低温でコンフィ
6. 声をミンチに
7. 狂気を泡立てる
8. 絶望をソースにする
9. 美学を火入れ
10. 最後に、“誰にも喰われたくない自分”を盛る
🔪ユリウス、試食する
ユリウスが手を伸ばし、
スケアリーが差し出した“無形の一皿”を口に運ぶ。
その瞬間――
彼の口の中に広がったのは、
誰でもない、ただの“京麩 小環”の味だった。
🔪スケアリーの食レポ「美学のラグー・孤独仕立て」
「ひぎぎぎぎッッッ!!!!」
スケアリーが自分の舌を噛みながら倒れ込む。
「これが!!!これが!!!!
**“誰にも理解されない、美の完全体”!!!!」
「酸味なし!苦味なし!でもッ!!!
**“孤独の旨味”がスープの底に眠ってる!!!!」
「食べれば食べるほど、私がわからなくなるの!!!
でもそれが、快感!!!!!!!」
🔪ラスト:ユリウスの一言
皿を舐め終えたユリウスは、ゆっくり顔を上げる。
「……お前の味、
確かに最高だった。」
「でもな、俺は“自分のレシピ”でお前を料理する。
スケアリー、次はお前が“食材”だ。」
スケアリーの頬が、僅かに紅潮した。
次回 → 第四十二話「恐怖の工程」