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第二十二話「亡骸と踊るクリーム煮」



🔪舞台:死の舞踏会


蝋燭の光が天井を揺らす。

広間の中央――

真紅の絨毯に横たわる男の死体が、突然、立ち上がった。


スーツ姿のその体は、ぎこちなくも一歩一歩、レオノーラへと歩み寄る。


レオノーラはドレスを変えていた。

ミルク色のドレス、裾はレース状の紋様が“骨”の形に広がっている。

髪は低く結い、首元には骨のネックレスがぶら下がっていた。


「今夜はね、“一緒に踊ってくれる”って言ってくれたの。」




🔪スケアリーの実況「死体のミルク煮、ラストダンス仕立て」


「ッうあああああああああああ!!!!!!」

スケアリーが宙返りしながら床にキスする。


「ついにきた……きたぞ……**“熱を帯びた遺体”という最上級の素材!!!!」」


「冷製で提供してきた死を……この女は、煮る気だぞ!?!?!?」

「しかも!! 熱の使い方がエモい!!!!」


「“愛の温度”で、ゆっくり煮る!!

そう、これは**“感情で温めたホワイトソースの死者煮込み”!!!!!」」




🔪踊る死体、絡まるレオノーラ


死体の足元に、無数の細い糸。

レオノーラの指に巻きついたそれが、

操り人形のように男の身体を優雅に動かしている。


彼女の声は囁くように甘い。


「あなたの手はまだ温かい。

それで十分なのよ、わたしには。」




🔪ユリウスの戦慄


「……操ってる。

いや、これは――操ること自体を愛してるんだ……」


ユリウスは気づく。

レオノーラの目は、“死体”を見ていない。


彼女は、“死体を動かしている自分”を見つめている。




🔪スケアリーの食レポ「自己愛のホワイトソース煮」


「ぎゃっっっふぉぉぉおおおおあああああ!!!!!!」


スケアリーは自分の指をソースに見立てて舐めながら絶叫する。


「これは……これは完全に……

**“愛という名の自分煮込み”だよおおおおおお!!!!」


「死体という素材は、

**“彼女の内面”の鍋で煮込まれてる!!!!」


「これはもう、“ダンス”じゃない。

**“自己肯定のスープ”!!!!」

「甘くて、ぬるくて、腐ってて、それでいて最高なんだよおおおお!!!!」




🔪レオノーラの微笑み


「私が操ってるなんて、誤解よ。」


彼女は糸をすっと引く。

男の死体は片膝をつき、レオノーラの手にキスをする動きを見せる。


「彼が、踊りたがってるだけ。

わたしの想いを、感じてるだけなのよ。」




🔪ユリウスの内心


(これは……完全に“罪”じゃない。

**“愛”そのものを捻じ曲げて調理している……!!)


(……だから、誰にも止められない。

誰にも、否定できない――)





次回 → 第二十三話「冷めゆく皿の上で」


スケアリーイズム - 完全犯罪のレシピ

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