「平賀!」
大慌てで仕事を片付け、待ち合わせの店へと駆け込む。
四人掛けのテーブル席に座る平賀の姿を見て、その向かい側へ、滑るように腰かけた。
「待たせてごめんねっ」
これでもかなり急いで来たのだが、花金で賑わう居酒屋で一人で過ごすのは、さぞ居心地が悪かっただろうと思う。
どんよりとした様相の平賀が、もそり、と頭を起こす。
いつもは髪の毛一筋すらきちんと整えられているヘアセットが、どことなく、ひしゃげている。
「堂本ちゃん……」
震わせる声も弱々しく感じる。
明らかに様子のおかしい平賀が心配になったところで、はっとするような音を立てて、私の隣の椅子が引かれた。
見上げると、総一朗がむすっとした表情で鞄を持ち、平賀の脇腹を打つ。
「いてっ」
「荷物そっち置け」
言いながら尚も、ぐいぐい押しつけている。
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