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卯裂様
かつて、この山に棲んでいた名も無き荒神を、割腹したウサギの生贄をささげることで、鎮めたことから、こう呼ばれるようになった。
数十匹にも及ぶ腹を割かれたウサギが、木に吊るされるさまは、あまりに凄惨で、そのため、八〇年代後半には、すでに、その習慣もすたれてしまっていたという。
今では人が訪れることもなくなった神社は打ち捨てられ、手入れをする者もいない。
人気のない神社は、相変わらず、異様な空気に包まれていた。
なんと言えばいいだろうか、ドロドロと濁った空気が淀んでいるような、そんな印象。
それは、凄惨な殺人事件が起きた現場などに漂う空気を思わせる、なんとも気味の悪いものだった。
調べた限りでは、この場所では目立った事故や事件などは起きていないはずなのだが。
「まさか、こことはね……」
何度来ても、進夢はこの場所の空気が肌に合わなかった。
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