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バレたら終わりです。

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バレたら終わりです。

6 - 4.近づかないで

♥

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2025年05月09日

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朝、ホームルーム前。

廊下の窓を見つめながら深く息を吐いた。



💙 (……昨日、あいつに会っただけで、なんか疲れた)


昨日の放課後、ゲーセンで偶然あった深澤辰哉。

距離が近くて、やたら懐っこい。


💙 (ただでさえSnowManってので目立つのに、一緒にいたら余計目立つじゃんか)


もう関わりたくないと思いながら、教室へ向かおうとしていたその時だった。


💜‪「でさ〜、その後すぐにバレてさ、俺だけ怒られんの!」


🩷「そりゃお前が一番目立ってたもんな」


校舎の中央ホール、大理石の柱の前に、SnowManのメンバーが数人集まっていた。


目立つ存在。整った顔立ちに、洗練された制服の着こなし。


そして、ただ立ってるだけで注目を集める、王族のような雰囲気。


💙 (金持ちで顔もいいとか、人生勝ち組じゃん)










昼。


白を基調にした高級感ある食堂、テーブルには並べられた本日のメニュー。

国産牛のロースト、トリュフ入りオムレツ、季節野菜のポタージュなど、豪華なメニュー。


しかも、特待生である俺は、これらが全部”無料”。


💙 (……こんな世界、やっぱ馴染めるわけないよな)


トレイを手に静かに奥の窓際の席に座った。

あまり食欲も湧かず、ナイフとフォークをぼんやり握っていた。


💜‪「よっ、庶民くん。」


その声に、俺のフォークがカチャリと皿に当たる。


💙「……っ!なんで、また…」


振り返ると、いつもの笑顔でトレイを片手に立っている深澤。


💜‪「どこで食ってんのか気になって探した。空いてんじゃん、ここ」


💙 (勝手に座るなよ、勘弁してくれ…)


💜‪「1階で食うの初めてだわ、ここもいいな」


何食わぬ顔で向かいに座る。


ちなみに、この学園の食堂は1階と2階に分かれている。

2階は1階を見下ろすような設計になっており、明らかに特別感のある空間。


そこは“SnowMan”をはじめとした、ごく限られた一部の生徒だけが利用できる専用席になっている。


そのため、1階で深澤が食事をしているというだけで、生徒たちの視線が自然と集まってしまう。

まるで王族が一般席に降りてきたかのように──。


💙「ほんとに、なんで…俺なんかに関わってくるんだよ……」


💜‪「”なんか”じゃないっしょ。君、けっこう面白いんだよ。喋るとちゃんとツッコむし、俺のこと見てすぐ顔赤くなるし」


💙「は?してねぇし!」


💜‪「ほら、それそれ」


💙「……ほんと、ウザい」


💜‪「お、照れた?」


💙「してねぇ!」


笑いながら頬杖をつく深澤。その余裕にますますイライラしてくる。


──


💜‪「なぁ、庶民くん、これうまいぞ?食ってみる?」


💙「大丈夫。それと、”渡辺”です。ちゃんと名前あります」


俺は苦笑いを浮かべながらも、学園内という意識から、今更遅いが敬語で話す。


💜‪「え、あぁ…ごめん。名前知らなかったんだよね。最初から”庶民くん”で覚えちゃったからさ」


💙「いや……それにしても、SnowManの人達って、生徒の名前とか家柄とか全部把握してると思ってました」


💜‪「ははっ、誰がそんなの全部覚えるかっての。俺、興味のあるヤツのことしか見てないよ?」


さらっと笑ってそういう深澤に、思わず言葉を失った。

“SnowManは全部知っている”──そんな幻想が、あっけなく崩れていく。


💜‪「白雪狩りも、別に全員が関わってるわけじゃない。俺はほとんど関係ないし。てか、基本社会の動きでさ、”あぁ、あの子やべぇな”ってなったら、誰かが動くってだけ」


💙 (……知らなかった。もっと冷たくて、全部管理されてる世界だと思ってたのに)


ほんの少しだけ、SnowManの印象が変わった──そんな気がした。


しかし、ふと周囲に目をやると、学園の生徒たちがこっちを見て、コソコソと話してるのがわかる。


「ねぇ、あの子、深澤様と仲良いの?」


「同じ高等部の1年みたい。高校から入った子じゃない?」


俺の背中に、冷たい汗がつっと流れた。


💙 (やば、目立ちたくないのに……何やってんだ俺)



そんな俺の気持ちなんて気づいてない深澤は、幸せそうに牛タンを噛みしめていた。











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