視界が真っ暗になった冬花だったが――突然意識を取り戻した。
まず、戸惑ったのは視界が高いこと。
そしてさっきまでは小さな公園の入り口近くにいたはずなのに――また別の、見覚えのある場所にいること。
「……え?」
ここ何日は近づくこともなかった、会社の最寄り駅。
ちょうどのその前に、冬花は――本来の人の姿で立っていたのだ。
「え、え……え!?」
駅前ど真ん中で自分の手を見て立ち尽くす冬花の横を、迷惑そうに何人か通り過ぎていく。
「も……も……戻ったぁ!」
そして今度は叫び出す冬花に、ぎょっとした通行人の視線が熱く突き刺さるのだった。
慌てて周りに頭を下げ、そそくさと駅の中へ移動する冬花。
(なんで!? なんでいきなり元に戻ってるの!?)
第10話 新たなステップ
渦巻く疑問に答えてくれる人はなく、冬花に今できるのはただ自宅の最寄り駅に向かうのみだった。**************
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