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駐車場につくと、購入した物を後部座席に積み、車に乗り込む。
豪は、奈美の膝の上に乗せている時計ショップの袋を見やり、車のエンジンを掛けながら彼女を呼んだ。
「なぁ奈美。腕時計、出して」
奈美は、ラッピングペーパーを丁寧に剥がして、買ってくれた腕時計を取り出す。
「貸して」
豪が彼女から時計を受け取ると、今度は、左手を出して、と言う。
奈美の左手首を取り、腕時計を付けてくれた。
「フェイスの綺麗なネイビーブルーが奈美らしい腕時計だな。すげぇ似合ってる」
目を細めながら優しく見つめる彼に、彼女の鼓動がドクンと跳ねる。
「ありがとう……ございます。大切にします……」
豪が顔を傾けながら、奈美の唇を、そっと塞いだ。
***
アウトレットモールを出発すると、戻る途中で食事をし、彼のマンションに帰ったのは二十一時過ぎ。
『奈美が買った新しい下着を、ベッドの上でじっくり見たいから』という理由で、別々に入浴を済ませる。
豪が先に入浴している間、奈美は買ってもらったパジャマや部屋着、洋服やランジェリー類のタグを取り除き、パジャマと薄いパープルのランジェリーセットを準備しておいた。
リビングのソファーに座って、豪がお風呂から上がるのを待つ。
三十分後、Tシャツにスウェット姿の彼がお風呂から上がり、まだ濡れた髪を大雑把にタオルドライしながらリビングに戻ってきた。
彼の毛先から水滴が落ちそうな容貌は、男の艶が放たれている。
無造作に額に掛かっている前髪が、素敵すぎてヤバい。
「奈美も入っておいで」
彼が彼女に入浴を促し、入れ替わりで浴室に向かった。
丁寧に身体と髪を洗い、バスタブにゆっくりと浸かる。
『帰ったら、たっぷり愛してやるからな?』
予告通り、これから彼は、奈美を抱くのだろう。
昨夜の豪は、彼女が久しぶりのセックスで、かなり気を遣ってくれた。
今朝も彼に抱かれ、初めての朝の行為は身体が敏感だったし、淫らに声を上げていたように思う。
(今夜は、どんな感じで……私を抱くのだろう……?)
想像すると、下腹部の疼きが徐々に膨らんでいき、豪に早く抱かれたいと、奈美は思うのだった。