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「おはよう!」
「うん、おはよ!」
そう、だった今日からは一人で学校に行かなくていいんだった。少し寝ぼけた頭を外の空気を吸って冷めさせる。
「それじゃあ行こっか!」
私たちは歩き出した。
そろそろ学校へ着くというところで、信号に捕まった。ここの信号ちょっと長いんだよね。なんて他愛のない会話をしながら待っていると、
違う学校の女子軍団が、やってきた。うわぁ、なんて、心の中で呟きながら、私は軍団がいないものだと一生懸命考えた。
なぜそこまでするのかといえば,,,
「えっ、待って!」
「なになに( •́ㅿ•̀ )?」
「ちょーイケメンいるじゃん」
「ほんとだ👀」
「え、こんなイケメンいたっけ?」
「知らなぁい、でも話しかけてみる価値あるくない?」
「すいません、そこのお兄さん?」
うわぁ( ^o^)ほんとに来た。そう、なぜここまで嫌がっていたかと言うと、この、女子たちはイケメンに超反応するからだ。しかも、めちゃくちゃしつこいし周りのことを考えないから。そう思っていると信号が変わった。女子軍団のこと考えていたら案外早くに信号が変わりイマイチな気分だ。私は蒼と、一緒に信号を渡ろうとしたが,,,
「ねえ、ちょっと待ってよ」
「お兄さん?無視はよくないよォ」
信号が変わったというのに、私たちの前に立ち止まる。後ろに人もいるというのに、後ろのサラリーマンが焦ってどうにか信号を渡ろうとしているのが目に入った。他の人も渡りたくて困っていた。
蒼は、「えと,,,」と女子軍団に絡まれてどうすればいいか必死に悩んでいるようだった。青信号がピカピカと光出した。あ、信号変わっちゃう。
考える前に体が動いた。不思議な感覚だ。蒼の手を引っ張り、走って信号を渡った、短い距離だったはずなのに何故か心臓がバクバクしていたのを覚えている。
「女子軍団ほんとしつこいんだけど,,,」
「ほんとにそうだね。いつまでたっても追いかけてくるし,,,」
信号を渡ったあと、私たちの後ろから女子軍団も走って着いてきたのだ。「おいていくなぁ!」とか叫びながら。
呼吸を整えた後、学校までもう少しの道を歩いていた。蒼とせっかく一緒に行けるという日なのに私の心の中は霧がかかったように白く曇っていた。昨日の夜、蒼となんの話をしようか悩んでいた自分が馬鹿みたい思えてしまった。
「あの女子軍団しつこかったね」
蒼が私が落ち込んでるのに気づいたのか、話しかけてくれた。その優しさに心をギュッと掴まれる。
「あ、明日は、ちょっと早めに出よっか?俺、莉奈と行けるの楽しみにしてたんだ、なんて、あはは。恥ずかしいな」
「ほ、ほんと?」
蒼も思ってくれてたんだ,,,
少しだけ赤に染まる頬は、私と同じ色をしていた。