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正しい猫のかぶりかた

第30話「我慢の末路」

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2022年04月03日

#ドラマ#SF#動物

第30話 我慢の末路

聞き覚えのある声の主――それは。

(あれは山城、さん……? でもなんか、違和感が……)

現れたのは、確かに山城彰人その人だったが――前髪が降りていて、眼鏡もない。

(ちょっと……おさ、ない?)

「――おい少年」

冬花が混乱している間に、彰人が健太に声をかける。

その視線は――冬花(銀二)の口から投げ出された、足を怪我して動けない白茶ぶち柄の子猫に向いていた。

「っ……」

「!」

彰人の声にビクついた健太の足が動いた。

(ここで逃げられたらダメ……!)

そう反射的に思った直後。

「みゃあああぅぅぅ!」

高く長く、警報のような鳴き声を上げた。

「……」

そんな冬花(銀二)の声に、彰人の目がスッと細くなった。

「その子猫の足の怪我……お前がやったのか?」

「っ」

そのものずばりの指摘に、健太の表情が蒼白になる。

冬花たちを追いかけ。。。

正しい猫のかぶりかた

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