第30話 我慢の末路
聞き覚えのある声の主――それは。
(あれは山城、さん……? でもなんか、違和感が……)
現れたのは、確かに山城彰人その人だったが――前髪が降りていて、眼鏡もない。
(ちょっと……おさ、ない?)
「――おい少年」
冬花が混乱している間に、彰人が健太に声をかける。
その視線は――冬花(銀二)の口から投げ出された、足を怪我して動けない白茶ぶち柄の子猫に向いていた。
「っ……」
「!」
彰人の声にビクついた健太の足が動いた。
(ここで逃げられたらダメ……!)
そう反射的に思った直後。
「みゃあああぅぅぅ!」
高く長く、警報のような鳴き声を上げた。
「……」
そんな冬花(銀二)の声に、彰人の目がスッと細くなった。
「その子猫の足の怪我……お前がやったのか?」
「っ」
そのものずばりの指摘に、健太の表情が蒼白になる。
冬花たちを追いかけ****************************
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