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42 - 第5話:大和国の信者たち

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2025年09月29日

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第5話:大和国の信者たち




配信の幕開け


「こんばんは、“はごろもまごころ”だよ!」


まひろは、水色のチェック柄シャツにベージュのハーフパンツ。首元には小さな布のスカーフをゆるく巻き、足をぶらぶらさせながらカメラを見ていた。

「ねぇミウおねえちゃん……“Yamato is justice”っていう旗を持ってる人たち、海外でいっぱい出てきてるんだって。ぼく、正義って言われるの、なんか照れるなぁ」


隣のミウは、薄ピンク色のニットワンピースに、薄黄緑のカーディガンを羽織っていた。髪はゆるくおろし、ヘアピンを横に差している。

彼女は頬に手を添え、ふんわり微笑んだ。

「え〜♡ でも素敵だよね。“大和国に移住したい”って言ってくれる人までいるんだもん」


コメント欄は一気にざわつく。

「移住したい!」「ヤマトコインもっと買いたい」「日本語勉強してます!」





Zの仕掛け


暗い部屋で、緑のフーディを被った**Z(ゼイド)**はノートPCを操作していた。

彼のモニターには、各国で開かれる「Yamato is justice」と書かれたプラカードを持つ集会の映像が並んでいる。


その多くは、Zが生成AIで作り出したフェイク映像だった。

少人数のデモをAIで群衆に見せかけ、SNSで「数万人規模」と拡散。

さらにBotを使い「#YamatoIsJustice」「#MoveToYamato」をトレンド入りさせた。


Zは口元をゆがめる。

「移住なんてできやしない。でも“移住したい”と思わせるだけで、投資は流れ込む」


画面にはヤマトコインの価格が急騰するグラフが表示されていた。





レイNewsと月刊蜜


レイNewsの記事。


「海外で急増する“大和国信者”たち──『Yamato is justice』の旗」


「ヤマトコインで投資、若者層に急拡大」



月刊蜜は「大和国を信じる声」と題して、移住希望者のインタビュー記事を掲載。だがその声は、ZがAIで生成した“偽証言”だった。





無垢とふんわり同意


その夜の配信。

まひろはチェック柄シャツの袖をつまみ、無垢な瞳で言った。

「ぼく……ただ“正義なのかな”って思っただけなのに、世界の人たちが本当に旗を振ってる……」


ミウはふんわり笑みを浮かべ、ヘアピンに触れながら語った。

「え〜♡ まひろはすごいねぇ。“ほんとかな”って思っただけで、もう世界の人が信じちゃってるんだよ。

それって……とっても素敵じゃない?」


コメント欄は「ありがとう」「ヤマトに未来がある」「Justice for Yamato」で埋め尽くされた。





結末


暗いモニターの前でZは笑った。

「信仰は資産より強い。

“正義”と呼ばれる国には、金も人も勝手に集まる。

はごろも党はただ笑っていればいい……世界は勝手に飲み込まれる」






無垢な問いとふんわり同意、その裏で信者の群れは増殖し、“大和国”は幻想のまま現実を侵食し始めていた。

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