夕暮れは沈み
サイレンは黄昏に音を亡くす。
入道雲は生ぬるい風と共に
東北東へ流れた。
泥はどこへ流れたのだろう。
灰はどこへ散ったのだろう。
一時の綺羅びやかさの後に
ここが消滅の国だと思い出す。
私は幼いころから見届人になることを
何となく悟っていた。
沸いて出る虫食いに滅んで行く里や
白々しい幻を持て囃す人々を
愛しいとも憎らしいとも思わないが
あの青い空を思っては
空虚に胸を焦がされる。
せめて青にも満たない人たちは
灰も泡も届かないほど遠くへ
飛躍して欲しいと願うばかりだ。
だけれど
私達はそのために何が出来るだろう。
茄子やら胡瓜やら
美味しく食べることしか思いつかない。
モリモリモリ。
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