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「未央、めっちゃいい……」
「喜んでくれてよかった。ケーキ切って食べよっか。って……あぁ、ごめん。えっと、殿。ケーキを、ぜひお召し上がりくださいませ」
ケーキを食べさせ合ったり、ほっぺについたクリームを舐めたり。こんな甘い恋人の誕生日は、はじめてだと未央は思った。
「未央、あのさ……」
「どした?」
「僕もその……着替えてきていい?」
「着替え? うん。いいけど……」
「急いで着てくるから、待ってて!!」
亮介はバタバタとあわてて出ていった。なんで着替えるんだろ? 汗でもかいたのかな。
20分経っても戻ってこないので心配していると、ちょっと部屋に来てほしいと亮介から未央のスマホに連絡が入った。ちゃんと戸締りしてきてねと念を押されて。
まさか……。いつかのことが未央の頭をよぎる。ちょっと面白がってもらえればそれでよかったんだけど……。未央はなんとなく次の展開を予想して、亮介の部屋のドアを開けた。
亮介は薄墨色の浴衣を着て、ひざまづいて頭を下げていた。足元が少しはだけていて、見えそうで見えない。
「姫、このようなむさ苦しいところへおいでくださり、ありがとうございます」
やっぱり。やっとブームが去ったと思っていたのに……。
それでも亮介の誕生日だからと、未央はそれに乗っかることにした。
ひざまづいているということは、亮介は殿じゃなくて家臣かなにかだろう。だいぶ前に、誕生日は未央に《《して》》もらうと亮介が言ってたのを思い出す。
ちょっと強気なお姫さまでいってみようか。できる……かな。
「こんなところに呼びつけて、いったい何の用じゃ」
酔いも十分。頭の中に会話の言い回しも叩き込んである。きょうは亮介の誕生日。やれるとこまでやってみよう!!
「申し訳ございません、どうしても私の想い、姫に受けとっていただきたく……」
亮介が続けてるってことは、世界観は一致したはず。よし! 任せて!!
「想いじゃと……。そなたの身分でずうずうしいのぉ。だがせっかくじゃ、楽しませてもらうとしようか」
流し目で、亮介を見つめる。この蔑んだ目、どう? 萌える?
「姫さま……」
いいよね亮介? このままいくからね!
未央は亮介の手をつかんで、ベッドに押し倒した。
「ひっ……姫?」
「きょうはわらわにさせろ、異論はきかぬ」
子犬みたいな亮介はいじらしい。未央は自分の中で最大限の荒っぽいキスをした。舌で歯茎をそっとなぞると亮介がピクピクっとするのがたまらない。
亮介の浴衣をはいで、首筋から鎖骨、胸に口を這わせる。
「そなた、あすの勤めは何時からじゃ」
「ひっ……昼からです、姫さま」
「わらわは朝じゃ。それを踏まえておけ」
「……はいっ……」
ちょっとー!! めっちゃ楽しいんですけど!? 亮介きょうは覚悟してね!!
未央は頭からドカンと煙が噴き出しそうなくらいだった。セリフは真面目でも、顔はにやにや喜んでいる。
未央は亮介の胸の先端をそっとくわえて、舌で刺激する。そこがきゅっとかたくなった。
「かわいいのお。そなたのここは」
「姫さま、あのっ……」
「案ずるな、すべて任せておけ」
だんだん唇を下げていって、大事なところを下着の上からそっとなでる。もう硬くなったそれが、うずうずしているのがわかる。
「ずいぶんここは苦しそうじゃの」
「……はい」
「いま、楽にしてやるからの」
未央は亮介の下着を下げると、それをそっと触った。
「くっ……」
亮介は気持ちよさそうに目をつぶっている。こうなると未央も止まらない。いやらしく亮介のそれに舌を這わせたり、口に含んで上下する。亮介が感じているのをこらえて、小さなうめき声をあげる。