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私たちは今日も、タイムマシーンで次元を超え、旅をしていた。
あたりは石炭の匂いで充満し、視界は数メートル先も見えない。
案内人「西暦1888年8月31日のロンドンです」
クロナが不安げに呟く。
クロナ「おかしいな…」
セレン「どうしたの?」
クロナ「だって、ジャック・ザ・リッパーが最初の犠牲者を殺す時代だよ。そんな危険な場所に、普通ワープしないはずだよね?」
その時、女性の叫び声が闇を裂いた。
女性「助けて!」
背後から、ナイフが飛んできた。
私は反射的にクロナの目を覆い、低く囁く。
セレン「見ちゃダメ!」
目を閉じた瞬間、凍りつく光景が脳裏に浮かぶ。
目を開けると、無惨に切り刻まれた女性の姿がそこにあった。
セレン「絶対、目を開けちゃダメ…」
私は魔法で姿を消し、女性に駆け寄った。
背筋が凍る。息はしていない。
セレン「即死…」
遠くで警笛が鳴り響く。
警官の足音が近づく。
セレン「まずい、今姿を見られれば歴史が変わってしまう」
私は転移魔法を使い、安全地帯へとクロナと女性を移動させた。
セレン「もう大丈夫よ、クロナ」
クロナが小さな声で囁く。
クロナ「お母さん、ありがとう。守ってくれて…」
その言葉は、どんな賛辞よりも胸に響く。
残酷なまでの魔女の運命を背負う私にとって、これ以上ないほど心を癒す瞬間だった。
セレン「ごめんなさい。私が魔女なんかにならなければ…」
クロナ「うん。分かってるよ。お母さんが大切な人を守るために魔女になったんだって、師匠が言ってたもん。私は、そんなお母さんに産んでもらえてうれしい」
私はクロナを強く抱きしめた。
セレン「私の大切なクロナ…」